約 3,015,320 件
https://w.atwiki.jp/sararahoshizora/pages/43.html
所持魔法技: A.C.Sドライバー ディバインバスター・エクステンション ブラスターシステム 支援系に特化されたなのは。 射撃性能が通常なのはよりも高いので注意。 A.C.Sドライバーは速さがあるため、気が付くと轢かれていることが多い。リロードは結構ながいので、とりあえず出させてしまうのがいい。 適当に隙を作ればホイホイ突っ込んでくるのでジャストガードでお帰りいただこう。 ただし密接のA.C.Sドライバーは何故かZ軸にも広い攻撃判定を持っており回避しにくい。 また正確に相手の方向を向いていないとジャストガードが失敗するので注意。 なのはの足の先にも、レイジングハートの羽の先端にも攻撃判定があるので注意。 ディバインバスター・エクステンションはBDAからは繋がらないが当たると非常に痛い。 また、ブラスターシステムでダメージだけでなく射程もあがるのでかわしたからといって安心していると左右に振られて捕まえられる。 上下移動での回避推奨。 隙は馬鹿でかいのでかわしたらブラスターなどを叩き込もう。 ブラスターシステムが追加されたら基本は逃げ重視。最長でも最後のブラスタービット追加から15秒後には消えるので、そこまでは逃げ回ろう。 スターライトブレイカーex-fbは当たるととても痛いので発動を見たら潰すこと。 デアボリック・エミッション同様回避が非常に困難(最後の爆発が非常に広い)だが、逃げるのであれば射撃しているなのは側に逃げること。 ディバインバスターが脅威だが、逆に誘った後の隙は馬鹿でかいのでスパークを準備できたら誘ってとにかく空振りさせてしまおう。
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/138.html
政治青年ポリティカユーノ 作者:ID 25h6zQij 「何度も言うとおり、僕はそんな提案を認めることはできないし、飲むつもりもない」 凛とした面持ちで冷然と拒絶の言葉を言い放ったユーノに、はやての後ろで控えていたフェイトは驚きを隠せなかった。 「なんで……なんでわかってくれへんの!?ユーノ君も知ってるはずや! 今の体制のままじゃ今回みたいな悲惨な事件を止められない! だから、だから……!」 「この政治的混乱に便乗して上に出よう、組織を変えよう、と言いたいんだろう? 確かに強硬派が失墜した今、その後を継ごうと闘争する者の殆どは私腹を肥やすことしか能が無い連中ばかりだ。 でもね、はやて。君はレジアス中将の――ああ、いや、今はもうレジアス大将か……。 ……このままだと君は、彼と同じ轍を踏む事になるだろう。いつか、きっと」 「なっ……!」 その言葉に、掴みかからんばかりの勢いで迫っていたはやての頭は真っ白になった。 「わた、私は、私はレジアスとは違う!!」 はやてはガタンと立上がり、激情のままに口を開いた。 「私はあんな悲惨な事件を起こさない!絶対に食い止めてみせる!私はもっと……」 「もっとうまく振る舞えるなんていうのなら!」 ユーノは声を荒げ、強い語気と射るような視線ではやてを遮る。 「それは、妄想だ。 ああ、確かに君の理想は崇高で貴いものだ。だが、それはレジアス大将とて同じ事だった。 彼にもまた理想があった。民間を守るか地上局員を守るか、ただそれだけの違いだ。 いくら高く大きい理想の樹でも、実が成らなくては意味も価値もないし、 むしろ害悪にほかならない。 彼は現実を見据えた末で動いていたがうまくいかず、焦って急ぎ、暴走した。 君は確かに彼とは違うが、それは理想ばかりに先走って計画性も現実性もない所くらいだ」 険しい顔で淡々と言い放つユーノにはやても怯み、俯いた。 「そんなの……そんなの分ってる」 「いいや、分ってないね。 管理局が最高評議会を喪った今、実質的な全決定権はかの三提督に移った。 そして彼らから信頼の厚い君は、遅かれ早かれ大きな権力を揮えるようになるだろう。 前科者で世間知らずの小娘が、だ」 「っ、ユーノ!」 それまで茫然とフェイトは悪意に満ちたその言葉に激昂し、しかし、まるで別人のように嘲り笑うユーノへの戦慄がすぐにそれを覆い隠した。 違う、ユーノはこんなことは言わないし、こんな顔を私たちに向けない!フェイトの頭が凍り付く。 「少なくとも、他人の目にはそうしか写らない。敵意を買うのには十分すぎる。 未だに君への反発を持っている上役は多い。それは君も身に染みて分っているはずだ。 かくして君は第二のレジアスとなり、第三のレジアスを育むことになるだろう。確実にね。 ……ねえはやて、少し頭を冷やそうか」 話は終わったとばかりに、ユーノはコーヒーを啜った。 「……もういこう、フェイトちゃん」 俯いたままそう言い退出しようとするはやてに僅かに戸惑いながらもフェイトは従い、二人は重い足取りで無限書庫の応接間を後にした。 * * 「ちょっときついんじゃないかい?」 「僕は嘘を言ってないし、全部本心からのことだよ」 だからそれがきついんだってと、二人と入れ違いに応接間に入ったアルフは二人が出ていった扉を見ながらそう呟いた。 「やっぱり、ミゼット提督からの打診は受けるのかい?」 「今まで迷ってたけど、うん、もう決めたよ。アルフ、これからもっと辛い事も増えるだろうけど、それでも僕についてきてくれるかい?」 「もちろん!どこまでもついていってやるさ!でも、はやてとフェイトはどうするんだい?」 アルフの疑問にユーノは苦々しく答える。 「僕の我が儘だけど、はやてとフェイトには、まだなのはを守っていて欲しいと思ってる」 「まぁ、適材適所ってやつだね。そうなるとユーノは管理局に正式に所属しなきゃならないよ」 「発掘ができなくなるのは残念だけど、背に腹は変えられないよ。 それに、わざわざはやてたちが矢面に立つ必要はない。汚れ役は、僕だけで十分だ」 決意を新たにして遠くを見据えるユーノにアルフは沸き上がってくる柔和な笑みを隠せない。 「う、あ、ちょっと格好付けすぎたかな?」 ユーノが自身に向けられるアルフの微笑に気付いて慌てて自分の言を振り返り、一転してそれまでの凛々しい顔を崩す。 先ほどまでの様子とは全く似つかず、急に恥ずかし気にわたわたとするその様を見て、アルフはいよいよ満面の笑顔を溢れさせた。 「いーや、ユーノはいつもかっこいいよ!」 14スレ SS
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1429.html
番外編その一「馬鹿騒ぎのレディーズ’バス」 機動六課隊舎内 大浴場 ここは、はやての要望により建設され、つい最近完成したばかりの設備である。 ちなみにその経費は、はやてがクロノを脅s…ゲフンゲフン、説得して捻出したとかしないとか。 まぁそれはさておき―― 「いっちばーん!」 夜九時、訓練と仕事を終えたスバル達が浴場に入ってきた。 「スバル、お風呂場で走るんじゃないの!転ぶわよ!」 「へーきへーき…ってあ痛ぁっ!?」 濡れたタイルに足を取られ、スバルは派手に後頭部を打った。 「言ってる側から…」 「あはは…」 呆れ返るティアナと苦笑するキャロ。 「う~、頭がバカになったらど~しよ~。」 涙目で頭を押さえているスバル。 「心配ないわよ、もうなってるから。」 歯に衣着せず言うティアナ。 「ひどいよティア~…」 「いーから早く入んなさいよ。いつまでそこにいる気?」 「う~…」 体を流した後、湯船に浸かる3人。 「「「ほ~~~~。」」」 のんびりと湯に浸かり、同じ声を出す。 「お風呂って良いですね~。」 キャロが緩みきった表情で言う。 「ホントね。最初は慣れなかったけど、シャワーよりずっと良いわね~。」 「仕事とか訓練の疲れを取るにはもってこいだよね~。…ところでティア。」 急に隣りにいるティアナに話かけるスバル。 「何よ?」 「思うんだけどさ…」 そして素早くティアナの背後に回り 「またおっきくなったでしょ?」 その胸を揉みまくるスバル。 「何やってんのよアンタはーー!!」 「やっぱりそうだ。前より柔らかい。」 「シカトすんなっ!早く離れなさいよ!」 「んーこれはD、もしくはそれ以上かな?」 「離れなさいっての、このバカスバル!!」 誰もいないのを良いことに騒ぎ立てるティアナ達。 だが彼女達は、物陰から自分達を見詰める視線に気付いていない… (ぐふふふ。いいねいいね~、眼福だぜこりゃ。) その視線を放つのはもちろんあの男、希代のエロ男にして歩くワイセツ物、クルツ・ウェーバーである。 何故コイツが全くバレずにここにいるのかというと、M9にセットされている魔法の一つ“ECS”(電磁迷彩)を使用して透明化しているからだ。 しかもクルツはスナイパーという仕事柄、気配を消す術に長けているので尚更バレないのだ。 (大浴場の完成を待ち続けた甲斐があったな。俺は今日、この光景を一生、目に焼き付ける!!) 間違った方向に情熱を燃やす男だった。 カラカラカラ 大浴場の扉が開き、隊長組が入ってきた。 「二人とも何を暴れている。風呂では静かにするのがマナーだぞ。」 シグナムが二人の様子を見て咎める。 「「すいません…」」 ショボンとうなだれる二人。 「まぁまぁシグナム、そう怒らなくても。二人も悪気があった訳じゃないだろうし。」 フェイトがフォローを入れる。 「お前は部下に甘すぎるな、テスタロッサ。 まぁいい、我々も入るとしよう。」 「はやてちゃん、後でリインが背中を流してあげますです~。」 「うん。お願いするで、リイン。」 「はいです♪」 「ヴィータちゃん、後で頭洗ってあげるよ。」 「別にいいよ。一人でやるからよ。」 「そう言わずに♪」 「あたしの髪をいじくるな!」 そんなヴィータを見てくすくすと笑うなのは。 (うひょっ!!部隊長達のナイスバディまで! 今日は人生最高の日か!?) 予想外のハプニングに大興奮のクルツだが、その思考は冴え渡っていた。 (シグナム姉さん、フェイトちゃん、ティアナちゃんは予想通りのデカさだな。 なのはちゃんとはやてちゃん、スバルは次点だが形が良いな。 ヴィータとキャロ、リインは…まあ今後かな。しかしああいうスレンダーもまた…) エロオヤジ思考全開で品定めするクルツ。 人として末期だった。 「それにしても、さっきはなんで騒いどったん?」 何気なくティアナに質問するはやて。 「スバルがまーたセクハラしてきたんですよ。人の胸を揉んで…」 そこまで言ってティアナはハッと気付く。 はやてが黒い笑顔を浮かべている事に。 「ほ~~。そういや私、最近は忙しくてそーゆー事しとらんかったな~。」 意味ありげな発言を聞いたなのは、フェイト、シグナム、ヴィータは瞬時に危険を察知してその場から離れようとするが、はやてはそれを上回る速度で接近し、 「きゃっ!」 「ひゃっ!」 「あうっ!」 「うひっ!」 瞬く間に四人の胸を揉み終えた。 「ふむふむ、なのはちゃんとフェイトちゃんは前よりええ感じや。 シグナムのゴージャス感とヴィータのぺったり感は相変わらずやけどグッドやで。」 「あの速さで四人の胸を揉んで、さらには評価まで下すなんて…!」 「感心してる場合じゃないですよスバルさん!このままじゃ次の標的になるのは…」 「さ~て、今度はフォワード陣やな~。今日は特別にリインも揉んだげるで~。」 「え、遠慮しますです~~~!!」 そして響き渡る乙女達の悲鳴。 セクハラ魔人はやての独壇場だった。 (ぬおおおーー!!もうたまんねえーー!!!)鼻血を流しながらそれを見るクルツ。 だが、彼の幸運はここまでだった。 ECSは非常に魔力を食う魔法なのでクルツから直にではなく、デバイス内のコンデンサに貯めた魔力を使用するのだが、長時間の使用により残量が僅かになってきたのだ。 (ちっ、もう時間か。それじゃ最後に至近距離から…) しかし、湯船に近付くクルツの足下には先程の騒ぎで湯と一緒に流れてきた石鹸が。 (都合良すぎと言いたければ言ってくれ) クルツは当然それを踏んでしまい、思いきりすっ転ぶ。 「ぐおっ!?」 「何?誰かいるの!?」 クルツの上げた声に反応し、全員がこっちを向く。 (やばい!急いで撤退を…) 立ち上がり出口へ向かおうとするクルツだったが、丁度その時M9が 『コンデンサ内の魔力、エンプティ。ECSを強制解除します。』と告げた。 そして露わになクルツの姿。 「…クルツ君?」 やけに低い声で言うなのは。 「ふーん、クルツ君覗きしてたんや~。」 目が笑ってない笑顔で言うはやて。 「これはちょっと、許せないね…」 怒気を含んだ声で言うフェイト。 「覚悟の上での行動だろうな、クルツ?」 修羅の形相で言うヴィータ。 そしていつの間にか、全員がデバイスを起動し、包囲網を狭めてくる。 「ち、違うんだ!これはその…そう!魔法の使用テストで…」 「へー、魔法のテスト?ほな皆、私らも攻撃魔法のテストしよや。 内容は『非殺傷設定の威力限界を知る』で、的にはクルツ君がなってくれるそうや。」 「りょうかーい。」(×8) その言葉に戦慄を感じたクルツは逃亡を試みるが、踏み出そうとした足は氷で固定されていた。 「何っ!?」 「逃がしませんですよー♪」 リインフォースⅡの「凍て付く足枷」だ。 「さてウェーバー、制裁を下す前に、何か言い残す事があれば聞いてやるぞ?」 レヴァンテインをシュツルムファルケンの形態にしてシグナムが言う。その顔には一片の憐れみもない。 他のメンバーもすでに魔力チャージが完了している。 処刑の準備は出来ている、といった感じだ。 「…出来ることなら…」 観念したように俯いていたクルツが、ぽつりと言う。 「ん?」 「出来ることなら、俺がこの手で皆の胸を触りたかったあーーーーっ!!!!」 絶叫するクルツ。 「「「「「「「「「死ね!!」」」」」」」」」 ドゴォォォーーーン!!! 発射された色とりどりの魔力の奔流はクルツを飲み込み、壁をブチ破って突き進む。 「エロスは正義だぁぁーー・・・・」 そしてクルツは夜空の星の一つとなった。 「ふぅ、これで悪は滅んだね。」 なのはの言葉に一息つく一同。 だがその直後 ガシャーン! 出入口の扉が蹴破られ、そこから飛び出す影が一つ。 「全員無事か!!敵はどこだ!?」 ショットガンを構えた宗介が言う。 その場の空気が数秒間停止する。 しかし、すぐに自分への殺気の篭った視線を感じ取り、脂汗を流す宗介。(いかん…良くない…。この状況は非常に良くない…) 「主、いかがなさいますか?」 シグナムがはやてに尋ねる。 「状況はどうあれ、見た事に変わりないしな。おしおき決定や。」 そして再チャージされる魔力。 「待て!俺は…」 「「「「「「「「「問答無用!!」」」」」」」」」 ズドォーーーン!! クルツ同様に吹き飛ばされる宗介であった。 ああ、この哀れな軍曹に幸あれ… 終わり 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3737.html
マクロスなのは 第29話『アイくん』←この前の話 『マクロスなのは』第30話「アースラ」 『誰かいませんか!?』 数台のエンジン音と共に、拡声器を介したティアナの声が耳に届く。 彼女の後ろにはEMPで立ち往生してしまった自動車を路肩に除けて、後方の輸送隊に道を作っていくバトロイド形態の消防隊所属VF-1C。 ここは先の防空戦闘によってめちゃくちゃになってしまった、三浦半島の南端に位置する町だ。 ―――――いや、だったと言った方が正確か。 ティアナの声に続いて上空からは消防隊のヘリとガウォークのVF-1Cの爆音が轟き、抱えていた水をぶちまけていく。救助活動が開始されてから今までの数時間に、数千トン以上の水を投下したと聞く。しかし完全に焼け石に水。周囲どこを見ても炎の壁が家だったものを包んでいた。 その中の一軒に大量の水が降り注ぎ、その延焼の度合いを弱める。そこでスバルは気づいた。 (あの家、ビーコンが発信されてない!) そこには救助隊が突入して、生存者の有無の確認を行ったというビーコンの発信がなかった。どうも周囲の火災の度合いが強すぎて、先遣の救助隊が近寄れなかったようだ。 『(ティアナ、ちょっとそこの家の中を確認してくる!)』 『(わかった。5分以内に戻ってきなさい。ここにそう長く留まれそうにないから)』 ヴァイスのバイクに跨りながら小回りを武器に、バルキリーを含む輸送隊の先の方で誘導するティアナは、少しだけ速度を緩めながら念話で返してきた。 『(了解!)』 輸送隊から離れたスバルは、その民家の玄関を拳撃で吹き飛ばし、内部に突入する。 周囲の温度は極めて高く、バリアジャケットなしではとても入れなかっただろう。そして同じように、この家の住人が簡単な魔導士であってくれたなら、対煙、対熱のシールドを張って未だに救助を待ってくれている可能性があるのだ。魔力反応はまったく感知できなかったが、あのEMP(電磁波ショック)の後では機器は信用できない。 もっとも、だれもいないことに越したことはないのだが――――― 「誰かいませんかぁ!?」 返事はない。 それに肉が焦げるような嫌な臭いが鼻につく。 (でも!!) 踏み抜きそうな脆くなったフローリングの廊下をさらに奥へ。 倒れた家具が道を塞ぐ。・・・・・・家具?いや、家の支柱だ。どうやらそれを隠していた壁は崩れたか、燃え尽きたかしたようだ。 本来壁だったのだろうその場所を、さらに奥に進んだ彼女が見たのは、1人の焼死体だった。全身炭化し、もはや性別もわからないその遺体に思わず歯がみする。 しかしその時、パチパチと家が焼ける音以外の〝声〟がした。その声は幼いを通り越して赤ん坊の声だった。それはどうやら遺体近くの金庫から出ているようだ。ドアの前には入っていたのだろう貴金属の姿。代わりに中に何か入っているのは明白だ。しかし開けるためのダイヤルの数字など知ったものでない。 (壊すか・・・・・・でももし中身が生き物なら、衝撃が危険すぎる) 加えて、天井から聞こえる建材が折れる音はまだ断続的なものだが、だんだんとその間隔は連続的なものになってきている。この家がその重量に耐えられない時が来ようとしているのだ。 猶予はない。ダメもとでノブに触れる。 「熱っち!」 素肌の部分が焼けるような痛みを訴えるが、この皮膚は人間のような脆弱なタンパク質ではない。戦闘機人の強靭な人工皮膚なのだ。 熱さに耐えてノブを捻ると、その強力な筋力を―――――使うまでもなかったようだ。それは何の抵抗もなくするりと開き、同時に泣き声のボリュームが上がる。 「よ~しよしよし・・・・・・」 スバルは水でぐっしょり濡れたタオルに包まれたその子を抱き上げると、対熱シールドで包み、自分のバリアジャケットの生命維持システムに組み込んだ。 「もう、持たないか!」 崩壊の音はすでに爆音に近い轟音を放っている。これに崩れられたらさすがに助からない。かといって来た道を戻って脱出するには遅すぎる。 こんな時どうするか? スバルは1つしか回答を持ち合わせていなかった。 「最短を一直線に、抜く!」 右腕のリボルバーナックルのカートリッジが数発ロードされ、そのフライホイールが高速回転する。 「ディバイィン、バスタァー!」 よく制御された魔力砲撃は六課に入る前のそれとは違い、ムラなく直線的に進路上のものを吹き飛ばした。 元から崩れそうなものをさらに壊したのだ。モタモタできない。砲撃を放った次の瞬間にはウィングロードを展開し、自ら切り開いた道を進む。その間も雪崩の如く建材が頭上に降り注ぎ、その進路を妨害する。 それらを撥ね退け、すすむ! ――――― ススム! ――――― 進む! しかし、あと5メートルというところで再びその道は瓦礫によって埋め戻されてしまった。 (畜生!) この崩壊の度合いでは退ける暇も、砲撃をする暇もない! やはり軽率だったと思わずにはいられない。一人ならともかく、救助した者の命も預かっているこの身なのだ。 あの時砲撃で壊さず、来た道を戻っていればあるいは――――― 後悔の念に押しつぶされそうになったその時、行く手の道に巨大な〝手〟が差し込まれた。そしてその一掻きは瞬時に脱出ルートから障害物を消し去ってくれた。 「脱出!」 煙と粉塵を払いのけて屋外へ。そのままウィングロードは上空まで伸びていく。 助けてくれたバルキリーは消防隊のVF-1Cではなく、フロンティア基地のVF-11のようだ。バトロイドの機首には獰猛なサソリを思わせるノーズアートが見えた。 すれ違いざまコックピットのパイロットに片腕を上げて礼を言う。 ここまで来ると助かったと油断するのが人の性。だがまだ終わってない。 「か、瓦!?」 向き直った目前には降り注ぐ無数の瓦。一時期ブームになった建材だが、今は勘弁してくれ。それにその後ろには倒れ掛かってくる家本体。 バトロイドの人はコックピットでコンソールを叩いている。どうも武装が動かずに悪態をついているようだ。 反射で頭と、抱いている形で確保されている赤ん坊をそれぞれ両腕で庇う。そして魔力障壁を展開。PPBSを最大出力! 数十を超える無駄に重い瓦で叩かれ、息つく暇もなく、倒れ掛かってくる家の屋根という物理的な圧迫力を前に、どこまで耐えられるか自信はない。しかし、それが己にできる精いっぱいの対策だった。 (どうかこの子だけでも!) ・・・・・・衝撃! 自身の上昇速度と、瓦の自由落下とで弾丸並みに重い衝撃が魔力障壁に降りかかり、フィードバックが体力と魔力を、そしてカートリッジを削っていく。しかし屋根はこんなものではないはずだ。瓦が割れていく轟音の中、覚悟を決める。 (あと屋根1つくらい・・・・・・このまま押し返す!) 根拠ゼロの覚悟の中、目標である屋根を見据えようと頭上に振り返ると一転 「あれ?」 そこには瓦とともに倒れてくる屋根など存在せず、大きく抉られた屋根だけが存在していた。 (あの抉り方は砲撃・・・・・・?) 角度から砲撃ポイントと思しき公道付近を見ようとすると――――― 『(スバル遅い!もう10分以上経ってるわよ!)』 バイクのアイドリング音と共に付近の公道から放たれた相棒の念話は、スバルに今度こそ、助かったのだという事を実感させた。 (*) 「まったく、フロンティア基地の人に気づいてもらえなかったら、どうする気だったのよ!」 「いやはや、面目ない」 2人乗りするバイクの前部で運転する、相棒の叱責すら心地よい。 あのフロンティア基地航空隊の人は防空戦からそのまま救助活動に参加していたそうで、今回は魔力砲撃の魔力を探知して、単体だった事から応援に来てくれたそうだった。 消防隊は魔力を探知する事はともかく、どのような魔法なのか、場所及び個数など、そんな分解能のいい装置なんて持ってない。そのためまさに幸運と呼ぶにふさわしい生還劇だったようだった。 「・・・・・・もっとも、スバルが1人で行くなんて言い出した時に、念話で周囲に展開してた部隊へちょっと口添えはしといたけどね」 前言撤回。 幸運なんかじゃない!やっぱりこの相棒は最高だ! 「やっぱりティアは凄い!大好き~!」 「こ、こら!いくら私でも事故る!お腹を必要以上に押さえるのはやめなさい!私達2人だけじゃないのよ!」 「そ、そうだね」 今背中には、あの火事場から救出した小さな命がある。この命を救えたことこそ、自分達がここに来た甲斐があったというものだった。 「・・・・・・それにしてもアルト先輩大丈夫かな?」 「そうねぇ。ライアンさんも他の同僚の人から撃墜されたとしか聞いてなかったみたいだし・・・・・・やっぱり通信網が回復しないとなんとも言えないわね」 「・・・・・・うん。でも今回の攻撃、何かおかしい。通信が遠隔地のどこにも繋がらないなんて・・・・・・」 今回の通信途絶問題、EMPによる通信機器破壊だけがその原因とは考えられなかった。事実、EMP範囲外で故障していないはずの自分達の機器も、1キロを超える電磁波無線通信を完全に断たれていた。 ミッドチルダ全域に有線網を持つMTT(ミッドチルダ電信電話株式会社)による調査では、自分達が知る限りでもこの現象は関東全域に及んでいるらしく、未確認だがそれ以上の範囲に及んでいる可能性があるそうだった。 おかげで現状使えるのは念話、半径1キロ未満の電磁波通信、あまり広まっていないためほぼ管理局のJTIDS(戦術統合分配システム)に限定されるフォールド通信。そしてMTTの有線通信網だけという、新暦100年とは何だったのかと突っ込みたくなるようなお粗末なことになっていた。 それに問題は通信だけではない。 「追いついたわね」 先ほど誘導していた輸送隊のトラックが見えてくる。大部分がコンテナ設備を積んだ大型トラックだ。 後方の中型トラックには道すがら回収した避難民が乗りこんでいるが、それはバスのようなものではなく、〝ディーゼル駆動〟の中型コンテナトラックだ。別にバスなどの車が徴用できなかったわけではない。 先のEMP攻撃は、この町を含めた半径10キロメートルにわたって軍用でないすべての電子機器を破壊しつくした。しかし、被害はそれにとどまらない。通常EMPはマイクロ秒単位で発生して瞬時に消えてしまうが、今回はそれの後、継続して被害を与えていた。先ほどの電磁波による通信と、次世代型大出力大容量バッテリーだ。 このバッテリーは従来の物と違って化学反応を用いないことで、一つで最大数百ボルトの電圧を得たり、充電することができる。 最近では原料から、どこかの世界の呼び方を踏襲して「フォールドカーボンバッテリー」と呼ぶそうだが、このバッテリーはクラナガンではシェア70%に及ぶ電気自動車に搭載されてる。具体的には民衆車、バス、通常2輪などの馬力を要求されない車だ。 ここで本題だが、今回、このフォールドカーボンバッテリーがこのEMP範囲内に入ると、たった数分で使い物にならなくなる現象が起こっていた。 おかげで災害出動した陸士部隊の輸送隊は軒並み立往生を喰らい、代わりに水素・石油など化石燃料車に依存する民間輸送業者が各地からかき集められていた。そのため目前を列を組んで走るトラックには「クール特急便」やらド派手な電飾を施した族仕様のトラックなど、シュールな光景が広がっている。自分達が乗るこのロータリーエンジン式バイクも現在水素で稼働しており、ヴァイスの趣味が功を奏した結果となっていた。 「前の方が騒がしいわね・・・・・・」 ティアナが言う通り輸送隊の前の方で人と救助ヘリの行き来が激しく起こっている。どうやら目的地だった小学校に到着し、先遣隊との合流を果たしたらしかった。 先遣隊は消防隊の大部分のVF-1Cとともに本職の消防救助隊が初動で動いたもので、本格的な病院設備は自分達がこのトラック達のコンテナ設備として持ってきた。 「先遣隊には転送でシャマル先生達も先に来ているはずだし、行ってみましょう!」 「うん。この子も預けなきゃいけないし!」 「そうと決まれば!」 アクセルを吹かして小学校への道をひた走る。そこに地獄が待っているとも知らずに――――― (*) 5時間後 三浦半島緊急避難指定小学校 楽しい休日になるはずだったこの日は、スバルにとって忘れられない地獄となった。 最初に言おう。はっきり言って自分の無力さを痛感させられた。 意気揚々と小学校に踏み入れてみれば、当然だが校舎が野戦病院と化していた。普段子供たちが学友達とともに学ぶ教室は集中治療室になり、「ろうかは走らない!」と書かれた廊下は、患者達の病室と避難民の収容設備となった。そして体育館は遺体安置所としてその機能を果たしていた。 空調がEMPでやられていたため形容しがたい悪臭がそこかしこから漂い、阿鼻叫喚の悲鳴がどこからともなく聞こえた。それでも合流したシャマルさん曰く、自分達が麻酔を始めとする様々な医療物資を補給して、改善された結果だというから二の句がつげない。 私達が来る前は一体どうだったというのか・・・・・・ 自分はその身体能力を買われて救助隊の手伝いをしたが、その仕事はなのはさんがデパートでの火災の時、自分を助けてくれたように、劇的で感動を呼ぶような憧れていた物では到底なく、ひたすら、ただひたすらに泥臭い仕事だった。名目こそ生存者の捜索と救助だが、実質遺体の捜索と鎮火への協力だった。 時間が経ち過ぎている。 それは痛いほどわかってる。だが、もっと他に、何か、こうならない方法がなかったものなのか? そう自問せずにはいられない。 『ガジェットは用がなければ家の中まで入ってくる可能性は極めて低いので、家の中で待機するようお願いします』 これは管理局が民間人に向けて行った行動指針だ。まぁ、その理屈はわかる。事実最前線で戦ってガジェットが理由なく故意に民間人の家を襲撃したりしたことはない。 今日自分達が少女を助けるために陸戦型ガジェットと召還魔導士と交戦したのは、ここから十数キロの地点。 次善の策として民間人が家の中に閉じこもるだろうこともわかる。 だが、その結果がこれだ。 防空ラインが少しずつ後退して、ついにはこの上空が戦闘空域となり、ガジェットとゴースト、バルキリーの墜落で発生した火災は、当たり前だが局所集中していないため鎮火には膨大な人手を要した。職務を離れる前に見た集計表によれば、他の避難所も足すと死者200人超、重軽傷者6000人弱、焼け出された避難民は約10万人らしい。 それにEMPによって通信網がマヒしていることが悔やまれる。あれがなければ発覚が速まって初動から大規模転送で救助隊を緊急投入できたはずだし、火災で有線通信網がズタズタになったここでも、リアルタイムで情報を共有することができたはずだ。バッテリーにしても陸士部隊などの災害出動した部隊が立ち往生せずに来てくれたらなど、ifは尽きない。 頭がこんがらがり、フラッシュバックする救助活動時の凄惨な現場のイメージを頭を振って振り払う。しかし簡単には離れてはくれない。助け出した人は十人以上。だけど――――― 「結局、命まで助けられたのは最初の1人だけだったな~」 思い出すは金庫に入っていた赤ん坊のこと。 今思えば金庫の前にあったあの焼死体は、あの子の母親だったのだろう。おそらく火災にまかれて進退極まった彼女は、子供だけでも助けようと思い、あの中に入れたに違いない。 赤ん坊が酸欠にならなかったのは奇跡に近いが、状況が状況だけに最善の策だっただろう。 救えたのはたったの1人だったけど、その存在はスバルにとって大きな救いとなった。 「なのはさんも、こんなこと思ったのかな・・・・・・?」 以前自分が被災した火災について調べたことがある。確か店側の避難指示が功を奏して死者はなく、避難時の混乱で骨折などのケガ人を数十人出す程度だったと記憶している。だが彼女のキャリアの中には、他の次元世界での時空震に対する災害派遣など、今回の都市災害を凌駕するような経歴が存在する。自分と同じとは言わないまでも、同じような経験をしているのは間違いなさそうだった。 「それでもなのはさんは、あんなに笑顔でいられるんだ・・・・・・やっぱり敵わないよ・・・・・・」 思わずため息が口をついて出る。 自らが憧れる人物の器の大きさに改めて感嘆し、自らが志望していたレスキューという仕事をこの心境で改めて六課を卒業した時、志望できるか不安になった。それどころかこの管理局という仕事に関しても、だ。 そう考えると意図せず頭が真っ白になり、その視線が外に向く。 小学校の屋上というロケーションは、残暑の暑さを感じさせぬ涼しげな風で額をなで、意識をその視界に集中させる。周囲は未だ所々で火災の跡がまだくすぶっており、先ほど交代した陸士部隊と、消防団のVF-1C。4時間前にやってきたフロンティア基地航空隊のバルキリー隊が生存者の救助、もしくは焼失・倒壊した民家からヒトを探していた。 ここから見るとバトロイド形態のバルキリーしかその姿を確認できず、暗い中をサーチライトで照らしながら作業する姿は孤独に思えた。 そこで、背後の扉を開く音に振り返る。 「ティア・・・・・・」 この最高の相棒は、今は珍しい化石燃料式バイクという小回りのきく乗り物を持ちこんでいたことから、伝令を行わされ、それぞれの避難所と救助活動の最前線、そして管理局地上本部のあるクラナガンとを繋いでいた。 「伝令はもういいの?」 「うん。治安隊の白バイと交代してきた。でもバイクは傷だらけにしちゃったし、燃料はすっからかん。ヴァイス先輩怒るだろうな~」 そう笑いながら隣に座る。 「・・・・・・それでさ、あんた、なんでこんなとこにいるの?何とかと煙は~って―――――!」 〝煙〟と聞いた瞬間、こちらの表情が曇るのがわかったのだろう。冗談は通じないと努めて明るく接してくれていた相棒はその表情を深刻にして、正面から両肩を掴む。 「ねぇスバル?まさかとは思うけど、バカな真似は―――――」 「大丈夫だよ。なのはさんが、ティアが、みんなが生かしてくれた命なんだ。粗末になんかできないよ。でもね・・・・・・でも、これからどうしたらいいのかわからないんだ。ねぇ・・・・・・わたし、何になりたかったんだっけ?」 「そんなの、私にはわかんないわよ」 「・・・・・・え?」 「私が知ってるのは人を助けよう、守ろうって努力するあなたの後ろ姿だけ。そりゃ今まで一緒にいてレスキューに携わりたいとか、なのはさんみたいになりたいとか、いろいろ聞いたわよ。でもね、それって私がちっちゃい時に『お兄ちゃんのお嫁さんになる!』って言ってたのと大して変わらないのよ。何になるのか、そういうことを考えるために、憧れのなのはさんがいる六課という研修所を選んだ。違う?」 「そう・・・・・・なのかな?」 「うん!まだ私達は何にでもなれるんだから!」 「そうだね・・・・・・これから、考えていけばいいんだ」 そう考えると、少し心が軽くなった気がした。 「・・・・・・そう言えばティアって昔の夢、お嫁さんだったの?」 「う、うっさいわね!そうよ!悪い!?」 「ううん。全然」 やってしまったという顔になって頬を赤らめるティアの姿に、いつの間にか笑顔にさせられていた。 救助活動を終えてからようやく笑えた気がする。本当にありがとう、ティア。 (*) 「そう言えばね、伝令やっている間に分かったことなんだけど、アルト先輩、やっぱり見つからなかったんですって」 あれからすぐ打ち明けられた真実に、スバルは思ったより冷静でいられた。 「そっか・・・・・・結局、あの時の恩返しできなくなっちゃったか」 「―――――意外ね、あんまり驚かないの?あんな殺しても死にそうになかった人なのに」 「まぁね。今回痛いぐらいわかったけど、人間って簡単に死んじゃうんだよ。「奇跡の生還」なんてのはアニメやドラマみたいなもんだけ。大抵はよほど準備してた結果であって、奇跡なんかじゃないよ」 「なんだ、醒めてんのね。弄りようがない」 ティアの肩をすくめる様子に一気に頭が過熱する。 (まさか死んだアルト先輩をダシにしようと?いくらなんでもそれは!!) 「ティア、いくらなんでもそれは酷いと思う。アルト先輩はそんな悪い人じゃなかったし、私達、何度も助けてもらって―――――」 言い終わらないうちにティアの右手が優しく左頬に添えられる。しかし肌に感じたのは相棒のぬくもりではなく、冷たい金属的な何か。 「ごめんなさい。そういう意味で言った訳じゃないの」 気付いてみればティアの顔には、自分に付けたのと同じであろう耳に掛ける方式のインカムがあった。 「ティア、これ・・・・・・?」 「JTIDSの端末機よ。陸士部隊の備品から貰ってきたの。これがないと、電磁波通信できない今の状態じゃ私達の座標を掴めないからね」 「??・・・・・・それって?」 どうも状況を上手く理解できない自分がもどかしい。頭を冷やさないと・・・・・・ 「まぁ、ちょっと待ってなさい。―――――はい、私です。―――――はい、もう見つけました。JTIDSの端末をつけさせたので、座標はえっと・・・・・・JMG00658の端末で固定してください。―――――はい、それでは転送2名、お願いします」 そうしてティアは、私の耳に掛けたインカムの番号を再確認しながらインカムの通話ボタンから手を離すと、面白そうに言う。 「スバル、じっとしてなさいよ。じゃないと〝何か置いてきちゃう〟かもしれないから」 「へ?」 (ただの転送魔法にどんな危険があるの?) 回転が遅い頭で疑問に思ったが、すぐに理由を知ることとなった。 突然体を包むように展開される円筒状のシールド。それに反応する間もなく、自らの体が青い粒子となって分解していく。 (え、えぇ!?) もはや喋る口もない。数瞬後には視界と意識は閉ざされていた。 (*) スバルとティアナ〝だった〟光の粒子達はシールドの内部で徐々に不可視の波へと変換され、シールド展開から1.5秒後、この世界から消滅した。 2人がいた場所は何事もなかったかのように、静けさに包まれていた。 (*) あれからどれぐらい時がたったのだろう? スバルは気づくと、光の粒子になった体は再生され、しっかり光るパネルの上に立っていた。 (パネルの上!?) 周りを見回す。そこは辺りが見渡せる開放的な小学校の屋上ではなく、無骨な隔壁が覆う、少なくとも室内だった。 「どうやらちゃんと揃ってるみたいね」 ティアナが後ろから肩を叩いて言う。 「え、ティア、これは─────」 「見ての通り〝転送機〟よ」 狼狽する自分を見て面白がるティアナは、足元の床と天井に付く丸い小さなパネルを指差して言った。 ただの転送魔法ならスバルはこれほど狼狽しなかっただろう。転送魔法は科学的には空間歪曲による〝空間の置き換え〟がその原理であり、最初から最後まで意識と実体を保ったまま転送座標の空間と自分の空間が置き換えられる。そのためほとんど自覚することなく転送は終始する。 エレベーターを想像してもらえばわかりやすいだろう。我々は階数を映すディスプレイと重力加速度の変化によって移動を自覚するが、それらが全くない場合、完全に自覚することなく移動を果たすだろう。つまり、エレベーターの高さ(Z軸)移動だけでなく、平面(X,Y軸)移動を可能にしたものが転送魔法だ。 しかしこの「転送機」は第6管理外世界が発案、製作したものだ。彼らは魔法が使えないため、まったく別の方法を編み出した。それにはフォールド技術である次元航行技術が用いられた。 転送シークエンスとしてまず、気流による物質欠損をなくすため円筒状の気密シールドを展開。次に分子レベルにまで転送物を分解する。そして構成情報をフォールド波に変換し、それを再物質化点に送る。再物質化時にはフォールド波の次元干渉する特性を使って、無から元素を生み出し再構成するという方法を採っている。 つまり転送魔法のように実体が行き来するのではなく、構成情報が行き来するためエネルギー量は圧倒的に少なくてすむ。 これは当に革新的な技術であった。 この技術があったからこそ第6管理外世界の住民、ブリリアントは恒星間戦争を有利に戦えたと言えよう。 しかし管理局では特定の次元航行船しか採用していない。なぜなら魔法が使える彼らには、どこでもある程度手軽に使える転送魔法の方が使い勝手がよかったためだ。 この転送機の真価は3つ。1つは情報の行き来のため転送可能距離が次元空間を介してさえ数千キロ単位であること、2つ目は魔法でないためAMF下にも対応できること、そして最後に、最大一括転送可能人数が20人を誇るため、部隊の高速展開ができることと言えよう。 「それで、ここはどこなの?」 その質問に答えたのはティアではなかった。 「L級巡察艦の56番艦、『アースラ』や」 「や、八神部隊長!?」 部屋の外から突然現れた上官に、ティアとともにあわてて敬礼した。 「うん、なおれ」 はやての許可に腕を降ろした。するとティアは物珍しそうに周りを見渡す。 「しかしL級巡察艦なんてまだ運用されていたんですね」 自分が知る限り、L級巡察艦は40年以上前に設計された次元航行船だ。 当時警察としての側面が強かった次元パトロール部隊(時空管理局・本局の前身)は、乗員が20人程のパトロール挺しか配備していなかった。しかしロストロギアを狙う次元海賊の勢力は強大になっていき、人数も艦自体に武装がない事も問題になってきた。 そんな背景から作られたL級巡察艦は、150メートルを越える当時としては大船だった。この艦は初めて常時2個小隊(50人)の武装隊と乗員を1年間無補給で養える空間が設けられており、当時輸送船に任していた武装隊の輸送と展開を円滑に行えるようになった。 そのため当時初めて採用された転送機と相俟って〝事実上の強襲揚陸艦〟と呼ばれ、海賊達の恐怖を誘った。 またこの艦には様々な魔導兵器が搭載されている。特に有名なのは『アルカンシェル』と呼ばれる魔導砲だ。この殲滅兵器は現在も管理局で最も高い威力を誇り、最新鋭のXV級戦艦でもこの砲は踏襲されている。 また、このL級巡察艦は全部で56隻が造られたが、ロストロギアに侵食・汚染されて自沈処理された1隻以外は対外攻撃によって撃沈された事はなく、生存性の高さは折り紙付きだった。 確か20年前より老朽化から、順次退役していったはずだった。 「違うんよ。本当ならアースラは、1カ月前に廃艦になる予定だったんや」 「じゃあどうして?」 この問いにはやては微笑むと、 「その辺の事は食堂に行ってから話そうか」 と告げ、廊下を歩いていった。 (*) はやてに連れられ来た食堂は、艦内とは思えぬほど広い空間に作られていた。 すでに席には、どんな理由か知らないが、今回の救助活動に前半しか参加していなかったなのはを初めとする隊長、副隊長陣にヴァイスや〝ふくれている〟ランカ、そして〝早乙女アルト〟がいた。 「アルト先輩!?」 「・・・・・・いよぅ」 どうやらすでに、ここにいる者の誰かから〝手厚い歓迎〟を受けたらしい。彼の左頬には真っ赤になった平手打ちの後があった。 「大丈夫ですか?」 「ああ、撃墜寸前にはやてに転送されたんだ。それで『死後の世界って案外に俗っぽい所だったんだ』って無駄に感心したりして─────」 「いえいえ、そうじゃなくて、〝ここ〟の事です。」 自分の左頬を指差す。 アルトは左頬を抑えて押し黙ると、ふくれている緑の髪した少女を見る。しかし彼女は 「アルトくんなんか、大っキライ!」 とそっぽを向いてしまった。 (*) 幾何学模様に変化する空。 次元空間内に設けられた巨大な空間には、中規模の次元航行船用停泊ドックが浮いていた。 以前は本局の前身である次元パトロール部隊が母港としていたが、組織の格上げと船体の大型化に伴い、20年前から管理局は使っていなかった。 今では第1管理世界に2番目に近い大型次元航行船の受け入れ港(1番目はミッドチルダ国際空港)のため民間船の多く停泊するこの港には、久しぶりに管理局の艦船が入って来ていた。 胴体に2本の腕を着けたような意匠のこの艦は、20年前まで造船されていたL級巡察艦という型だ。1番艦からの運用期間が40年以上という非常に息の長いこの型は、ここにある改修用ドックで運用できる170メートルにギリギリ収まっており、往年は軽快艦として活躍した。 そして今、このドックに停泊しているのは、この型の最後の船、56番艦『アースラ』だった。 (*) 「・・・・・・それで、なんでここに集めたんだ?」 アルトが少し不機嫌に、はやてに問う。 スバル達が来てからも、まだフロンティア基地航空隊のヴィラン二佐やミシェルなどの上級士官が、このアースラの食堂に集められていた。 アルトとしては戦死騒ぎで、来る人来る人の悪い意味での〝手厚い歓迎〟に辟易していた。 「うん、まずはレジアス中将の話を聞いてくれるか?」 はやてはそう告げると席に着いた。 レジアスは食堂に併設されている小さな舞台に上がるとスピーチを始める。 「あー、諸君。こんな大変な時になぜ突然、こんな所に呼び出されたか疑問に思っていると思う。だがそれだけ重要なことであると考えてくれ」 レジアスは公聴者達を見渡すと続ける。 「知っての通り、我が地上部隊はミッドチルダを守護するために設立された組織だ。しかし最近の情勢は良くなく、六課と、フロンティア基地航空隊のおかげで地上の治安は維持されている。だが諸君、あと〝たった半年〟で双璧の1つである六課は解体されてしまうのだ!残念ながら地上部隊には、今まで通り、現在の戦力をクラナガンに〝釘付け〟にし、維持させることはできない」 現在六課戦力はクラナガンに釘付けになっているが、他の方面部隊も強力な戦力である彼女らを必要としており、一点集中には限界であった。 「そこで、我々地上部隊は半年後をめどに、地上部隊の保有する六課戦力を合わせ、〝本艦〟をベースに特別部隊を編成する!」 レジアスの宣言に動揺が走る。これまで地上部隊は艦艇を採用したことはなかった。しかし問題はそれだけにとどまらない。六課と合わせる特別戦力。ここにフロンティア航空基地の面々がそろっているといことは───── 「特別戦力にはバルキリー隊を使う。そのためアースラは今から1カ月の改修をもって、バルキリー隊の〝移動航空母艦〟として運用する!」 ─────もはや誰も止められないところまで事態は進行していた。 (*) 「しかし、よくこんなお誂え向きの船を見つけられたな・・・・・・」 アルトの呟きに、隣りに座るランカが耳打ちする。 「この船はね、出張中私の艦隊の旗艦だったの」 かいつまむとこういうことらしい。 第6管理外世界へのランカの貸し出しを決定した本局は、ランカ座乗艦はいざ危険になった時に、安全に戦線離脱できる次元航行船がよいと考えた。しかし大型フォールドスピーカーやフォールドアンプ、ステージの設置などを行うサウンド仕様への新鋭艦の改装は元に戻す時に困難を極めるため、解体寸前のこの艦に白羽の矢がたったのだ。 そうして何事もなく戦争が終結し、最後にランカをミッドチルダまで輸送する任務を達成した後、このドックで解体される予定だった。しかしレジアスがランカを招待した会食の折りに、彼女が 「古くなったからって、解体されてしまうのはやっぱり寂しいですね。機関長さんが『まだ十分動けるんだ!』って座り込みをやってました」 という話題を提供したという。するとレジアスは食い付き、本局からアースラに残りたいという乗員込みで破格の値段で買い落とし、今に至るという。 (なんて大胆な男なんだ・・・・・・) アルトはある意味感心した。 彼が視線を舞台に戻すと、今度は技術士官が改装の概要を説明しているところだった。 「─────アースラにはディストーション・シールド(次元歪曲場)、サウンドシステム、航法システムなどがすでに完備されており、この辺りの改装は行いません。主な改装部はバルキリー用の格納庫の増設で、現在10~14機程度の運用を想定しています。また既存の対空魔力レーザーCIWSに加え、自己完結のブロック型ミサイルランチャーを─────」 そんな中、ミシェルが話しかけてきた。 「おまえ、これからどうする?俺としてはおまえには3期生の教導に回ってほしいと思ってる。そうすりゃあのヒヨコどもでも2~3週間ぐらいで─────」 ミシェルはそこまで言ってアルトの放った鋭い眼光に、言葉を発せなくなった。 「・・・いや、ミシェル。俺は前線を退くつもりはない。確か格納庫には予備の〝ワルQ(きゅー)〟(この世界でのVF-1の愛称)があったはずだ。あれを貰う」 アルトの視線が、隣に座る少女に注がれる。 彼女は壇上で、復活に涙するアースラ機関長の話に夢中らしい。まったく気づかない。 「俺はコイツを─────ランカを守ってやらなきゃいけないんだ。今日の事でよくわかった。俺はできる範囲でもいいからコイツを他人任せにしたくない。この手で守ってやりたいんだ。も─────」 〝もちろん、なのはやさくら達だって同じだ。〟と言おうとしたアルトだが、ミシェルの手が肩に置かれ、言えなかった。ミシェルはかつてないほどの笑顔を作る。 「そうか、やっとお前も〝心を決めた〟ようだな。あのプレイボーイが、うん、うん」 なんだかわからないが、ミシェルはしきり感心する。アルトにとっては、ただ自らの手で大切な人〝達 〟を守る事を、新ためて決意しただけなのに。しかしミシェルは、両方が勘違いしていることに気づかないうちに話を続けた。 「よし、お前の一世一代の決断に俺は乗ったぞ。今日、基地に帰ったらすぐ、技研の田所所長に連絡を入れろ。『例の計画の件で、ミシェルから推薦されました』って」 「そうするとどうなるんだ?」 「まぁ、見てからのお楽しみだ。とりあえず、(ランカちゃんを)しっかり守ってやれよ」 「なに言ってるんだ。当たり前だろ。(みんなを守っていくなんて)」 色恋に関して天然バカの早乙女アルトと、勘違いしてしまったミシェル。まったくもってお似合いの相棒だった。 (*) その後、今後の計画についていろいろと話し合われ、地上時間2200時をもって終了。 各自部隊へと帰還していった。 (*) 2314時 聖王教会中央病院 そこにはなのはとランカの姿があった。 2人の目的の1つは突然幼生化したアイくんの精密検査。そしてもう1つは保護された少女に関するものだった。 この時間の病院は消灯後であり、通常静かなもののはずだ。しかし三浦半島の市街地で出た重篤患者がここに集められて治療が行われていたため、今も忙しく人が行き交っていた。 「こんなに怪我人が出たんだ・・・・・・」 ランカは病院のロビーで全身に包帯を巻かれた人や、虚ろな目でベンチに寝かされながら点滴を打たれている人、etc、etc・・・・・・を見て呟く。 皆顔は暗く、項垂れていた。 「ランカちゃんがいなかったらもっと被害が出てた。だからランカちゃんのせいじゃないよ」 だがなのはのフォローもあまり効果ない。 確かにアルトが生きていたことは言葉に表せないほど嬉しかった。しかし今回の事件で200人以上の死者が出たことには変わりなかった。 ランカは俯こうとして自らの抱く緑の物体と目が合った。 それは愛らしく 「キュー?」 と鳴く。 「アイくん、励ましてくれるの?」 「キューッ」 アイくんは喜色をあらわに、肩に飛び乗ると、頬をすりつけた。 「にゃはは、かわいいね」 なのははアイくんだけではない。そんな緑色の1人と1匹を見てそう言った。 (*) アイくんは精密検査では異常は何も発見されず、ランカの持つバジュラの幼生に関する科学的データと比べても同じだった。唯一わかっているのは、縮んだのは元素分解による質量欠損であること。これは体表面にエネルギー転換装甲を物質操作魔法した時と同様の特殊な反応があったためだ。しかし『魔法を介さない元素操作は不可能』なはずだが、ランカには物質操作魔法の素養もなく、デバイスもシャーリーによると対応していないそうだった。 謎を呼ぶアイくんだが、〝動く生物(質量)兵器〟が無害化したのと同意のため、周囲は無条件で受け入れていた。 (*) 清潔な白一色の部屋。 俗に病室と呼ばれるその場所は、通常ベッド数が4の広い病室だったが、今ベッドは中央に1つしかなかった。 そしてそのベッドにも、不釣り合いなほど小さな女の子が1人、眠っているだけだった。 その部屋の唯一の扉が開かれ、2人の人影が部屋に入る。しかしそれでも少女は目を覚ます様子はなかった。 「・・・この子がそう?」 ランカはなのはの問いに頷くと、アイくんを伴って少女をのぞき込む。 医師によれば衰弱の度合いは低く、今日、明日にでも意識を回復するという。 まだ精密検査は行われていないが、この子が通常とは違う人の手によって作られたという可能性が第108陸士部隊のギンガ・ナカジマ陸曹からもたらされていた。現場から1キロ離れていないところで輸送業者の事故があり、そこで密輸されていた生体ポットの主が、あの少女だと言うのだ。 ギンガはベルカのボストンで唯一生体ポットと関係のある「メディカル・プライム」が〝何らかの事情〟を知っていると見て調査しようとしたが、それはなのはによって止められていた。なのはにはメディカル・プライムとの独自のパイプがあり、「公式の調査で相手を硬化させるより、そこから聞いたほうがよい」との判断であった。 まだ向こうとは通信していないが、なのは自身は〝恩人〟であるあの企業を疑いたくなく、少女が人造であるとはっきりするまでは聞かないつもりだった。 閑話休題。 アイくんは寝ている少女が心配なのか「キューッ」と鳴きながら張りついた。 そんなアイくんのぬくもりを感じたのだろうか?少女が口を開いた。 「ママ・・・」 だが意識が戻ったわけではなく、目を閉じたまま手が宙をさまよっている。なのははそんな少女の手を握り、 「大丈夫、ここにいるよ」 と呼び掛ける。 すると少女の腕の力は抜け、また眠りの底に沈んでいった。しかしその少女の顔は、なのは達が入ってくる前よりいくぶんか微笑んで見えた。 ―――――――――― 次回予告 VF-25という翼を失ったアルト しかしそれは新たに手にする力への序章に過ぎなかった! 次回マクロスなのは第31話「聖剣」 その翼、約束された勝利の剣につき――――― ―――――――――― シレンヤ氏 31話
https://w.atwiki.jp/veiros/pages/161.html
FrontPage 星間文明TOPページ。 目次 目次更新履歴 関連リンク 国家概要政治体制 出国制限 中央行政機関 司法制度 主な組織エストリルディス恒星帝国(首都) ツォルマリア文明統一機構 惑星ポリューテッドプラネット カラード国際連盟 サイバー・オーガン 歴史 外交入域制限 国交締結国 所属組織 締結条約 軍事地上軍務局 公共安全管理局 宇宙軍務局 更新履歴 1が最も新しく、3が最も古いものとする。 下記の記述が変更されていない場合、重要な更新ではない。 1 出国規制項目を追加。安全情報項目を入域制限に変更。 2 安全情報項目、地下プラントを追加。 3 行政、外交、軍事項目の更新。安全情報項目の追加。 関連リンク ツォルマリア文明統一機構 星間文明人物録 国家概要 星間文明統一機構(通称、星間文明)は、第二恒星エストリルディスを中核として統合された第四種国家である。 星間文明旗 国の標語 平和、団結、秩序 国歌 我等が世界に栄光あれ! 公用語 宇宙共通語 最高意思決定機関 文明最高評議会 首星 第二恒星エストリルディス 首都 首都船インペラティール 代表的な都市 メルバ・ラオムティカ、ネオ・ヴァルヴァラ市 首星人口 2600万余り 民族構成 人類種系51%、改変種系29%、原住種系16%、機械種系4% 公式略称 星間文明、文明機構 統一通貨 tuxoruma・Phel 政治体制 文明最高評議会を中核とした地方自治間での合議制。評議会は通常、中央政府と称するのが一般的。 星の最高権力たる中央政府は行政権を、法の守護者たる裁判所は司法権を、地方の代表らが集いし召集議会は立法権を有し、三権を分立している。 中央政府の長たる文明最高評議会議長は通常任期6年で、地方の有力者らと監察官とで構成される信任会議において選出される。信任されている限り続投可能。 召集議会の代表らに関しては地方ごとの自治権を尊重するため、その政治体制によって選抜法が異なる。 出国制限 ヴァレフォール歴4147年9月1日。 安全保障上の観点から、召集議会において自国民の出国を制限するための法案が可決されました。 ★文明国民の出国規定に関する段階レベルの概要 【段階レベル】 【備考】 0・yuu 個人の意志に基づき出国可能。犯罪歴がない限り自由に出国できる。 1・ko 総務局の審査によって出国可能。業務上の理由及び職員の経歴によって承認される。 2・ta 議長の命令によって出国可能。基本的に出国不可であるが、運営並びに外交上の都合によって承認可能。 3・vi 議会の議決によって出国不可。該当種族は何人たりとも出国できない。 例外 意図せぬ事態等、特殊な事例及び防衛任務上の都合他、他国の意向によって高度に判断される。要議決。 ※外国人には適用されない。 ※上記の事例を除き、議会の議決は絶対である。 ※文明国民には段階レベルによって帰国命令が発せられる。 ※指定された場合、既に国外に出国した者に関しては、その業務が終了次第、帰国とす。 ※指定された場合、任務なき一般人は「例外」を除いては即刻帰国すべし。 ※指定された場合、国外において必要な業務を抜けた者に関しては、問題なき種族に引継ぎを行う事。 ※指定状況によって適当な担当者が出国できぬ場合、無人機による引継ぎか、或いは「例外」の適用を以て対処する。 ※「3・vi」に指定された種族は「例外」が適用されぬ限りにおいて出国できない。 ※機械化市民に関しては機械種として扱われる。 ※犯罪歴のある者など、指定不穏分子は「例外」を除き出国できない。 【種族】 【現在の段階レベル】 人類種系 0・yuu 改変種系 0・yuu 原住種系 2・ta 機械種系 0・yuu 中央行政機関 【機関の正式名称】 【長の名称】 【備考】 文明最高議長府 アルビン・バイゴッド文明最高評議会議長(♂) 星間文明における最高意思決定機関。 国家戦略部 最高議長が暫定的に兼任 議長直轄の政策補助機関。加盟国との利害調整や議長への助言、政策立案等、包括的な役割を担う。 物流管理局 オラフ・ハーク物流管理局長(♂) 各種貨物の安全管理を司る機関。総務局と連携している。 総務局 カビーノ・アマージャ総務局長(♂) 星間文明の内務機関。加盟国の内政に関するフォローや入出国のチェックなど、事務的な任務に徹する。 法務局 アルカンジェロ・マッツィーニ法務局長(♂) 加盟圏における各国法の管理機関。基本法制の整備等、戦略部と連携している。 財務局 フローラ・デュルフェ財務局長(♀) 国庫の管理や統一通貨に関する信頼性の維持等、様々な業務を担っている。 公共安全管理局 アーマントゥルード・ローグ公共安全管理局長(♀) 治安の維持に特化している機関。一国で言う所の内務省軍的な存在。 外交統括部 ナミール・シャムス・ファルーフ外交統括部長(♂) 星間文明の外務省に相当する組織。 安全管理課 アンヘリノ・バスケス安全管理課長(♂) 外交部長直属の検閲機関。各種公文書の改竄や拡散の防止を担っている。 外交政策協議会 ジャン・クロード・バルビゼ外交政策協議会議長(♂) 有識者達で構成される助言機関。各種外交政策に関する研究や評価を行っている。 広報統括部 リノス・アルソレイ広報統括部長(♀) 文明国内における情報秩序を維持するための組織。 内務情報局 ミカエラ・ヴィンチェンティーノ内務情報局長(♀) 文明国内での情報分析業務を担当している組織。各部と連携している。 外務情報局 ビティア・マカショフ外務情報局長(♂) 文明国外での情報分析業務を担当している組織。各部と連携している。 通信監査局 アラベル・ベルクール通信監査局長(♀) 不健全な報道を取り締まるための事務機関。各部と連携している。 防衛統括部 グラハウド・グランドレイン防衛統括部長(♂) 文明の防衛を司る組織。 防衛情報局 カンタン・ルスュール防衛情報局長(♂) 防衛部の補助機関。各種安全保障に関しての情報分析業務を行っている。 宇宙軍務局 ボリス・カルナウホフ宇宙軍務局長(♂) 宇宙軍艦隊の指揮コードを管理している機関。運用に関して総合的なコストの削減も担っている。 衛星管理局 ジョルジュ・コンドロワイエール衛星管理局長(♂) 人工衛星の運用を司る機関。気象衛星のみ管轄外となっている。 研究開発局 ルーベン・ソウトゥーリョ研究開発局長(♂) 各種軍事技術の研究開発、並びに旧型兵器の再利用を目的として設立された組織。 地上軍務局 ロズモンド・ミシャロン地上軍務局長(♂) 宇宙軍務局の地上版。陸海空軍の指揮コードを管理している。 倫理審査局 ベニアミーノ・アルボレート倫理審査局長(♂) 兵士個人への賞罰を司る機関。憲兵局と連携している。 国家憲兵局 エルナン・グラナドス国家憲兵局長(♂) 憲兵機構の廃止に伴って設立された組織。軍内部における法秩序の維持や、交通整理を担っている。 警務統括部 ジャンカルロ・アメリア警務統括部長(♂) 星間文明の中央警察機関。加盟圏においての自由な行動権利が認められている。 防諜局 トバイア・ギャヴィストン防諜局長(♂) 他国間諜を取り締まるための機関。尋問に際しては多少の人権軽視も厭わない。 警務統括部は情勢に応じて四段階の警戒レベルを表す。 【D】 平時における通常の警備体制として機能する。 【C】 局所的な警戒態勢が敷かれる。該当区域は統括本部から出向してくる管理官の指示に従わねばならない。 【B】 惑星規模での厳重警戒体制となる。基本的にはこのあたりから防諜局が動きだすらしい。 【A】 全領域での厳重警戒体制となる。最高権力の発動により軍隊との共同作戦に移行。 経済統括部 アブラハム・ホルムグレン経済統括部長(♂) 国家経営を司る組織。内外への開発援助や各種助言等、安全保障にかかる補助を是とする。 工業管理局 ドゥイリオ・コーボ工業管理局長(♂) 公営の工業プラントを管理している機関。政府の方針により、年々縮小傾向にある。 食品管理局 グローリア・アンジェリコ食品管理局長(♀) 公営の食品プラントを管理している機関。広大な文明を保つための重要な役割を占めている。 通商管理局 マリアンナ・メリゲッティ通商管理局長(♀) 貿易事務を司る機関。惑星外諸国との取引において交渉を担う事もあるようだ。 環境統括部 クリスティーネ・エリクション環境統括部長(♀) 星間文明の環境監督機関。自然環境の保護や固有文化の保全を任務とする。 教育管理局 コンドラト・ブルイギン教育管理局長(♂) 悪質業者の排除や適正な教育行政の維持など、各種コンプライアンス業務を担っている。 医療管理局 クルト・ルーセンベリ医療管理局長(♂) 各種医療の研究業務を司る機関。近年においては生体のパンデミックに関する調査業務が主となっている。 厚生労働局 フセペ・アンチエータ厚生労働局長(♂) 労働環境の整備や各種公的保険など、国民生活に関わるものを取り扱っている。 宙域交通局 ケビ・ヘプケン宙域交通局長(♂) 各宙域での防災対策や交通管理を司る機関。気象衛星を運用している。 司法制度 概ね各国法に順ずるが、国際問題などは特別裁判所の管轄となっている。 ●特別裁判所 【機関名】 【概要】 最高裁判所 下記の最終審判。 特等裁判所 その他の問題に関する審判。 中央裁判所 中央行政府の問題に関する審判。 連合裁判所 自治連合間の問題に関する審判。 地方裁判所 地方自治間の問題に関する審判。 主な組織 エストリルディス恒星帝国(首都) 首都船インペラティールを中核とした帝政コロニー郡。首都船内部においては、議長官邸や各種統括本部が置かれている。 星間文明統一機構の中枢部として機能していると同時に、エストリルディス公爵家による厳格な統治体制が敷かれている。 ニーレンベルギア枢軸国の新生リゲイリアに次ぐ第三帝国として発足した。またの名をサード・リゲイリアとも称する。 ▲第二恒星エストリルディスの歴史 元は旧銀河帝国所有の恒星シャルディナ・トゥールであるが、紆余曲折を経て星間帝国に編入された。 遷都後にエストリルディスに改名。天殻(ダイソン球)に蓋われ、帝国随一の反物質生産拠点として栄えていたという。 軌道都市船が多数建造され、最盛期には人口4000万人規模にまで拡大するも、その後の敗戦によって一度瓦解した。 以降、長年に渡って数ヶ国の保護を受けたがいずれも滅亡し、国際会議の結果として社会帝国が保護を宣言するに至る。 しかし、カイバー星系への侵攻を行った事から文明機構と対立し、議論の末に恒星の管理権を手放すに至った。 その後、社会帝国への警戒を大義名分として文明軍が進駐し、これを接収するも、リゲイリアンによる政治的要求が過熱。 中央政府が事態の重大性に気づいた頃には召集議会の六割が懐柔され、星間文明の新たな主星として遷都するに至った。 ●首都船インペラティール ラ・ロシェール(星間帝国の都市船)をモデルとして建造された星間文明の首都船。リゲイリア系有力者らの帰属先であるが、各宙域における政治・経済・軍事・交通の中枢としても機能している。インペラティールには彼らの技術を駆使した新基軸の防衛機構が備えつけられており、軍事的な抑止力として機能している他、各種エネルギーの供給源としても大いに栄えつつあるという。また、リゲイリア系難民の悲願でもある祖国の再現を徹底するため、エストリルディス公爵家による擬似的な帝政が敷かれている。ヴァラノルカにおいてはリトル・リゲイリアとも称されているらしい。 ★召集議会 加盟組織の代表らが集う連邦議会。 当初は地上の加盟国が中心となって運営されていたが、公平性に欠けるため改革された。 近年においては、国民会議と意見を交えつつ協議を行うのが主流となっている。 ★国民会議 非公式の圧力組織。行政機構や議会に対して睨みを利かせている事から、事実上の反体制派として認識されている。 その主な構成員としては、旧憲兵機構の役員や一部独裁国家の市民等、参政権を持たぬ者が多いという。 ★星間文明円卓会議 星間文明の政界や財界に絶大な影響力を持つ組織。 主に一国の君主、または領地を持つ有力者などによって構成されている。 ★ラクササ・インスティテュート 星間文明に害なすファンタズマ(宇宙怪獣)への対処コストを軽減すべく、V.C.4142年に設立された巨大な研究機構。 理想的人道主義者によって齎された過去の災厄の経緯から、その行動権は関係省庁から文明軍の中枢に至るまで及んでいるという。 実のところ、防衛に託けて悪魔的な兵器の配備を促すための機関ではないかと疑われているが、関係職員はこれを一貫して否定している。 しかし、ツォルマリアにおけるラルヴァ(変異体)の生体を多数捕獲している事から、従来の開発規定より逸脱しつつある事は明らかだろう。 独立報道連合の指摘によると、「ロマクト・グループにおける旧リシド派と何らかの関係がある」との事で、色々と黒い噂が絶えない。 中央政府は上記の安全性を保障するため、公安による完全な職務介入を決定し、研究員の開発倫理を新たに定める事で合意した。 ツォルマリア文明統一機構 惑星ヴァラノルカを事実上支配している組織。その圧倒的な軍事力により、星間文明の国威を確固たるものしている。 主に地上の加盟国などによって構成されているが、カイバー星系においては事実上の第二種文明として認識されているようだ。 ★公共開拓団 開拓連盟と混同されがちだが全く異なる組織である。 深宇宙の探査から各国との通商に至るまで、何でもこなす万能な団体として有名。 平和主義であるが、紆余曲折の末に独自の軍を保有するに至った。 ★開拓連盟 惑星ヴァラノルカの宙域自治政府。 当初は地上国の直接統治下に置かれていたが、その後の革命によって強大な自治権を確立した。 協調を図る一方で地上人を憎む傾向が強く、何かと問題が絶えないという。 ★地下プラント自治政府 プラント種族によって運営されている組織。 地上世界では最大の自治勢力として一目置かれている。 ★ロマクト・インダストリー・グループ 星間文明において豪勢を誇る巨大なコングロマリット。 星間GDPの約三割を占めており、強大な政治的影響力を持つという。 ★独立企業連合 自治権を有する数多くの中小企業が集まり、協調している。 ★ツォルマリア文明通信機構 ロマクト社に次ぐ巨大企業にして、最大の独立報道機関。独自の軍を有している事から、国家による全面統制を受け付けない。 しかし中央政府との関係は重視しており、反体制派の情報活動を度々妨害している。ちなみにロマクト社との仲は至極最低らしい。 ★独立報道連合 通信機構から分離独立した組織。多種多様な通信社が属している。 ★ミトス管理区 惑星ミトスを中核とした研究コロニー郡。DBU研究本部の改革後、文明機構の軍政下に置かれている。 各種バイオテクノロジーに精通している他、大規模な軍事演習場としても大いに活用されているようだ。 惑星ポリューテッドプラネット 度重なる核実験によって汚染された惑星。旧アリア城を中核として復興を進めている。 また、グール族に対しては医療を施し、皮膚機能の回復を試みている。 食人料理に関しては自治圏においてのみ良としている他、ツォルマリアより罪人の身柄が提供されている。 カラード国際連盟 惑星カラードにおいて結束している国家間連合。以下の常任理事国が中核となっている。 ●セリス・ブルーニャ 通称、ブルーネ。かつてはヒンケル政権による独裁政治が続いていたが、文明機構の影響を受け半ば民主化した。 現在はヒンケル首相のメイチス党と、ヘイムラー総裁の新生ブルーネ党が連立内閣を構成し、統治を行っている。 ●ラーヴィリス連邦 通称、レッダス。粛正者スターリナによる恐怖政治が続いていたが、その更に上を行く艦隊兵士の干渉を受け一度崩壊した。 その後、紆余曲折あったが現在は民主化しており、復興も徐々に進みつつある。ブルーネ国とは相変わらず仲が悪いようだ。 ●グリーン共同体 通称、グリー。旧レッダス軍の占領統治下に置かれていたが、文明軍によって解放された。 帝室は残念ながら行方不明のため、国民主体による議会制民主主義へと移行している。 ●ギイロス合衆国 通称、キイロス。カラードにおいては唯一、本土を戦火に晒す事無く終戦を迎えている。 今やフィンスパーニアにも匹敵する超大国となっており、未曾有の繁栄を謳歌しているらしい。 サイバー・オーガン ※一時は新生ヴァルバラ共和国と仮称されたが、安全性の向上に伴い以前の名称に戻された。 ●惑星サイバーオーガン・プラネット 内部は冷え切っており地熱はない。海は存在しないが森林地帯と湖が広がっている。 しかし隕石の落下により磁場が消滅しそれによる気候変動により砂漠化していった。 (以上、サイバーオーガンより抜粋) 現在は巨大な宇宙基地として機能している。 ▲サイバー・オーガン特別法 人類と機械種の健全なる共栄を実現すべく施行された法律。 新生ドローンの基本的権利に関して定めている他、感情や芸術の抑制強要を硬く禁じている。 ただし、自ら進んで抑制する事については容認されている。 ★ネオ・バルヴァラ市 機械化政府が治める複合行政都市。人類式の経営概念が伝達された事により、経済機構の民主化が進んでいる。 ★エグゼクティブ・ウォーガン社 惑星オーガンのライフラインを担うコングロマリット。 オーガン系機械種(残骸の修理により復活を遂げた者)を中核として数多くの社員が働いている。 ネオ・バルヴァラ市においてはオーガン系列の工場を改修し、クリーン活用しているようだ。 歴史 関連する歴史項目 外交 友好関係の構築及び親善強化、並びに安全保障の維持を基本指針としている。 近年の方針としては内政不干渉を最大原則としているため、自らの安全や信用に危機を覚えぬ限りにおいては介入しない方針だ。 いわば、文明機構とその関係国の安寧が保証されている限りにおいては、例え他国の内政がどれほど常軌を逸していようと「知ったことではない」。 外交部として遊星王国の倫理原則と枢軸国の集団的安保政策を参考としていることから、従来の理想的人道に基づいての行動を厳に慎むものである。 (※但し、外交状況によるため全く同じように真似るとは限らない) なお、星間文明に対して能動的に工作行為を行うなど「安寧を脅かし者」に対しては状況によって報復も辞さないとの見解が示されている。 尤も、文明の存続を重視している以上は大局を見誤ることのなきよう、ある程度の柔軟性を以て対応する必要はありそうだ。 入域制限 エストリルディス恒星帝国 過去において精力的に活動していたリゲイリア星間帝国を崇拝する者は文明機構において数多くいる。それはかつてのツォルマリアにおいて蔓延していた理想的人道主義を嘲笑するかの如く、現代の星間文明に根深く浸透しつつあるようだ。尤も、彼ら天人の宇宙の安寧に対する飽くなき情熱に関しては、今を迎えて再評価されつつあるものの我らの外交手法と比べれば遥かに過激であった。今にして思えば、その理念に関してあながち否定しきれぬ部分もあったのではないかとの声も聞こえるが…。とは言え、当時の天人を恐れる者も同じく存在している。我々は文明の統治者として、彼らの恐怖を無視する訳にはいかぬ。中央政府はその歴史的経緯から無用な紛争を回避するため、恒星帝国への外国人の入国を制限することに決定した。なお、これは鎖国ではないからして、入国審査の大幅強化であるとご理解願いたい。 カタ・コミュニティ 一部を除いては比較的穏やかな情勢を保っているものの、その歴史的経緯から某国に対する憎しみが消えるには至らない。無論、かつての対立国家にもそこに至るまでの正義があったのかもしれぬが、主義主張はどうあれ、惨状の傷が癒えぬ彼らに真の安寧が訪れるには、暫しの年月を要するであろう。中央政府としては安全保障上の理由から、当該コミュニティへの入域を厳に制限せざるを得ない。尤も、これはカタ系市民は元より、彼らと対立する可能性のある外国人を偶発的な危険から遠ざけるための措置でもあり、国際社会から理解を得られるものと信じている。しかしながら、カタ人をある種のゲットーの如く閉じ込めるための措置でもないことから、彼らの文明国内における自由行動を制限することはできない。従って、カタ人との間で禍根を抱く者に関しては、公安職員による厳重なるエスコートが必要だ。 地下プラント自治領 ツォルマリアにおける重罪人の行き着く先は、他の候補がなければ地下プラントしかない。その情け容赦のない浄化政策によって地獄に送り込まれた者は数知れず、今や名実共に冥土の象徴の如く怖れられているのが現状のようだ。尤も、その背景には彼らツォルマリアンにとって反社会的人物に対する独特の憎悪と、地下世界にて未だに巣くう悪鬼共への恐怖が見え隠れするのだが。ツォルマリアは祖国防衛の名の下に人道的に嫌悪していたプラント種族を受け入れ、以前にも増して増大し行く狂気を以て其の世界を圧倒した。毒を以て毒を制するとは、まさにこの事であろうか。それもこれも、プラント種族の強大なる力なくして実現し得なかったことである。そして今、独善的な人道主義者は全て駆逐され、ツォルマリアンと地下プラントの関係はある意味で良好なものとなりつつあるようだ。しかしながら、プラント達の母国であるランド・プラントは種の保全を行うにあたり、粗相が過ぎた。マザープラントが一度拒絶を示せば、対象の文化を焼き払うことに関して何の躊躇も慈悲もなく、結果としてあらゆる生命の憎悪を一身に浴びる結果となってしまったのである。但し、彼らを価値ある者として迎え入れ、共に戦った国も存在するが。何にせよ、我々中央政府としては、このような歴史的経緯から地下プラントへの入国制限を継続することに決定した。また、種の存続を願う地下プラント自治政府にも、その国益が犯されぬ限りにおいてはやむを得ぬものとして理解頂けることであろう。 ラノーザ共和国 彼の国において紛争の爪痕は生々しく、未だ完全なる復興には至っていない。ジェルビア連合軍の全面的な武力介入により、統合革命軍という未曾有の悪魔集団こそ殲滅されたものの、恐怖の色は当分消えぬことだろう。一部市民の間では外国人排斥の機運が高まっていることに加え、現在の共和国指導部はその政治的信条において年々過激さを増しつつある。それはまさしく、赤と呼ぶに相応しいのではなかろうか。…共産主義という呼称こそ控えるが、それは我々の知る赤そのものである。人口の割には、余りにも多くの血が流れすぎた。尤も、中央政府としては加盟国の自治権を尊重するため、内政不干渉の立場を取るが…。ジェルビア諸国の間ではかつての某国に対する怖れから赤に対する警戒感が蔓延しており、ある種の法的根拠を語ってはラノーザからの撤退を渋っている。ジェルビアの盟主たるフィンスパーニア王国による異例の根回しにより、召集議会の議決すらままならぬこの状況。決してラノーザの治安が悪い訳ではない。ある意味、恐ろしいほどに浄化されているのだから。赤とジェルビアと中央政府、この三者が合意に至るまで長い時を経ることになりそうだ。当然、ラノーザへの入国に関しては厳に封鎖せざるを得ない。 国交締結国 ※星団登録国のみ 国家名称 オーシア連邦共和国 ズェムリア帝国 幸福至上主義社会帝国 ゼクスランド スヘル=バルニッツァ首長国連邦 ポザラザカ共和国 アポピス 酒呑国家鬼ヶ島 ヴェルンフィシア共和政府 所属組織 カイバー防衛条約連合 締結条約 星間文明統一機構とズェムリア帝国との間で締結する友好経済安保条約 星間文明統一機構とゼクスランドとの間で締結する友好経済安保条約 星間文明統一機構とポザラザカ共和国との間で締結する平和友好条約 軍事 星間文明軍とは星間文明統一機構が保有する軍隊の総称である。陸海空宇宙の四軍の他、領域警備を主任務とする公共安全管理艦隊、専守防衛を主とするプラント独立軍が存在する。戦略軍、通常軍双方において高い錬度を保つ軍隊である。普段から中央政府の指揮下にある常備軍と、加盟国の管轄下にあり戦時に編入される自治軍、同じく戦時に編入される公安艦隊他、自治体独自の防衛組織などに大別できる。星間文明軍は文民統制の下に最高司令官である文明最高評議会議長が統帥する。 そして同じく文民である防衛部長が最高議長の補佐役として防衛部を統括し、具体的な軍事作戦計画の企画などは議長と筆頭補佐官、または国家戦略部と傘下の管理局から成る統合参謀本部が行い、各軍に伝達する。星間文明軍は次の6つの軍種からなる。その中の陸海空宇宙の四軍は防衛統括部の管轄下に属している他、公共軍は文明最高評議会議長の直接統制下にある。プラント独立軍はその性質上、自由軍として区分けされているが、防衛部との間に上下関係はないものと定められている。なお、近年においては公営の農場プラントによる大規模な供給に加え、ゼクスランドより大量のレーションを購入している他、一度は削減された防衛艦隊も軍需産業の増強によって再び数を増しつつあるようだ。また、他の改変種国家と比較して数に劣る攻撃戦力の増設配備も計画されており、その総合的な軍事力においては既に相当の武威を誇るものの、尚も拡大の一途を辿りつつあるという。 地上軍務局 連合陸軍 惑星内における多国籍陸軍。地上世界の他、上層や地下世界などの防衛も担当している。 ●人造兵士(人間戦車) 旧パンスペルミアにおいて開発された最凶最悪の人造人間(その強力な戦闘能力から、人間戦車という名称が用いられている)。導入当初は大規模な生産計画が立案されていたが、その仕様上ある程度の人格が備わっている事に加えて自爆機能も付加されている事が問題となり、頓挫したという黒歴史を持つ。そのため、中央政府としては国民感情を深く考慮し、専ら極一部の精鋭部隊に組み込むなど極秘裏での運用が行われている。 名称 種別 内容 支援戦闘員 パンスペルミアオリジナル 霄龍大公国の技術指導に従って製作されたプロトタイプ。作戦の内容によって編成が行われている。 HB-CN-021ビオラ 砲撃戦闘員 従来のシリーズに比べて積載量と攻撃能力が大きく向上しているが、その分単体の理解能力が低下しているため運用には慎重を要する。 HB-AN-011クッキー 突撃戦闘員 旧型よりも強力な武装に加え持久力と機動力が大幅に強化されているが…性格に難あり(好戦的な者が多いという)。 HB-AN-021アオバ 遊撃戦闘員 現行のシリーズでは最も高い機動性能を誇るが、その他の能力ではクッキーよりもやや劣る。敵部隊を撹乱するのが目的。 HB-021Kトタノ 指揮戦闘員 最強且つ高コスト。プロトタイプであるトコ(強襲能力)、タマ(索敵能力)、ノブル(指揮能力)の性能を兼ね備えている(強化済み)。 ●人型機動兵器(陸上仕様) 支援戦闘機 パンスペルミアオリジナル(WGシリーズ) プロトタイプ。作戦の内容によって編成が行われている。 LW-021ヴェルデ 汎用突撃戦闘機 対地戦特化型の重装機動兵器。機動力及び旋回性能の向上に加え、専用の全方位ブースターが装着されている(後ろに倒れこみにくくなった)。また、悪路における滑走が可能になるなど、その性能は大きく向上した。しかしその一方でエネルギー効率が大幅に犠牲にされているため、補給物資の備蓄が必要不可欠になるなどコストの上では問題点が残る。 LW-041ヴルメリオ 汎用電子戦闘機 対空戦特化型の重装機動兵器。四足歩行。旋回性能はヴェルデ以上且つ滑走可能。また、広域レーダーを備えつつ耐久力も大幅に向上した。 LW-091sトロヴァオ 汎用支援戦闘機 対地空戦用に開発された重装機動兵器。非搭乗式半自律行動様式。性能は可もなく不可もなくその他の支援機として位置づけられている。 連合海軍 惑星内における多国籍海軍。 連合空軍 惑星内における多国籍空軍。 公共安全管理局 公共安全管理艦隊 公共安全管理局が有する航宙艦隊。所属する隊員は白を基調とした制服と青のネクタイを着用している。 主な任務としては掃海活動や交易船の護衛、海賊討伐など、専ら領域内の秩序を維持する事に終始している。 状況によって正規艦船との戦闘も可能だが、基本的に前線に出向く事はない。 宇宙軍務局 統合宇宙軍 統一された宇宙軍。所属兵士の殆どがスペースノイドであるが、それだけに惑星内の軍隊を見下すような風潮も根強いという。 主に惑星圏の防衛を担当しているが、現代においては最も重視されているため、軍事予算の割合では常に80%以上を占めている。 また、外征能力も備わっており、深宇宙における長期の作戦にも対応可能となっている。 ●人型機動兵器(宇宙仕様) WS-011Pサフラ 汎用防宙戦闘機 無重力対応型戦機の完成第一号。従来の装甲に加えて武装が大幅に強化されているが、その分電子機器が省かれている。連携必須。 WS-012Pアフマル 汎用突撃戦闘機 無重力対応型戦機の完成第二号。攻撃力、防御力、機動力、旋回力等、平均的に強化されているが、その継戦能力においては不安が残る。 WS-013Pドゥルドゥール 汎用電子戦闘機 無重力対応型戦機の完成第三号。電子戦特化型として開発されたが、その分脆弱な仕様となっており、攻撃能力も極めて低い。連携必須。 WS-014Pワハシュ 対艦戦闘機 無重力対応型戦機の完成第四号。脅威的な攻撃能力と射程能力を備えているが、その他の部分が非常に脆弱な仕様となっている。連携必須。 WS-01Aレクス 汎用戦闘機 無重力対応型の完成第五号にして文明初の有力機。一部の電子能力を除いては概ね優秀な性能を誇るが、コストがとんでもなく馬鹿高い(ニュータイプ仕様)。そのため、現在二機のみの運用となっているが、両者ともに中央政府のお膝元に配備されているという。状況に関わらず護衛機としての性質が強く、その有用性が疑問視されている。 ●スーパーロボット BR-01Aソムニウム 戦略爆撃機(大量破壊兵器) 文明機構が誇る絶望(トンデモ兵器)の一つ。全高約102m、主武装として背部広域ビームポッド6問(BR-01B)、副武装として腕部対艦ミサイルラッチ(BR-01M)、補助武装として多目的ライフル(BR-01R)を装備。ベラメーラ元環境部長(救国人道軍総帥)の愛機を強奪改修し、大幅に強化したというレトロなロボ。死ぬ事が前提の特攻仕様らしい。 ●ミサイル ヴァラノルカの絶望 星間弾道ミサイル(大量破壊兵器) 280余年前の遺物。当時の独立研究機構(現在のロマクト社)によって開発されたものだが、核戦争の終結に伴い一度封印された(その管理国はサンパレナ共和国)。 しかし、開国後の情勢悪化を受け、正式に再配備となる。また、近代改修が加えられた事により、補助ゲートを介して敵国領内を破壊しつくす事も可能となってしまった。人類最悪の凶器。 ●第3機動艦隊旗艦トニトルス 創世記において始祖達が開発したと思われる全長約4000mもの古代戦艦。地下世界に纏わる大破壊の後に、自立システムがプログラムされたものと予測されている。かつては地上世界の航空機が一定の高度(=宇宙空間)に達すると、無差別にレーザー砲を放った事から天の裁きの如く大いに恐れられていた。ヴァラノルカにおいて上層世界が構築されるに至った元凶の一つとされる。しかし、開国以前の大規模な軍事作戦により、多くの犠牲を払ってシステムの掌握に成功した。現在は軍事衛星と同列の重爆撃艦として運用されており、その武装も年々強化されつつあるという。性能、装備ともに軍事機密のため、詳細は不明である。 ●ナイトメア級ティアフルドリーム 第6機動艦隊旗艦シュトゥルム F.G.T.Uより贈呈された名誉ある宇宙戦艦。能力レベル4を誇る。 ●第7機動艦隊旗艦キュアノエイディス ロマクト社によって建造された全長約2000m級の宇宙空母。ワープ巡航速度:空間歪曲型の21(ゲート機能必須)、機動職員:3451名(整備士含む)、砲手 1620名、施設職員 3105名、戦闘員:14316名、他1000名弱。武装:16連装ブラストレーザー2基(長距離仕様)、イグニス・ギガキャノン300基(中距離仕様)、40mmガトリング砲1000基(短距離仕様)。搭載機:防宙戦闘機300機、突撃戦闘機500機、陸戦用戦闘機200機、人間戦車300体、30式重降下艇100機、他多数搭載。元は外宇宙での長期探査を目的として開発されたものだが、新政府の目に留まり改修されたという。艦長はマート・バウチャー上級大将で、ジャヤ・ブレンバ中佐が副長として補佐を勤めている。近年においては、パンスペルミアにおけるポールシフトの調査のために派遣された。武装を除く全ての性能がトニトルスを上回るらしい。 ●プリンセス・センプリチェ級早期警戒電子戦管制艦 第1防衛艦隊旗艦ゴルヴェドーラ(一番艦) F.G.T.Uより贈呈された名誉ある高機能艦。本星圏内における防衛指揮を司る。耐久力は6。 第47防衛艦隊旗艦ツォルマール(二番艦) F.G.T.Uより贈呈された名誉ある高機能艦。文明圏内における防衛指揮を司る。耐久力は6。 管轄区域 ディルタニア方面軍-オーガン担当 フェイルディラシア方面軍-エルトリルディス担当 セイルナシア方面軍-ポリューテッド担当 ネルヴィル方面軍-カラード担当 カイバー方面軍-ツォルマ、霄龍、オーシア担当 プラント独立軍 地下プラント自由軍-ヴァラノルカ担当 広域での行動に転じる事も可能だが、高度な政治的事情により制限されている。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3243.html
襲われた地上本部。 目の前の惨状とそれがわずか数十分で作られた光景という事実が現実を目の前に突きつける。 そこにあるのは、管理局のやり方を知り尽くされたかのような手際での制圧戦。 手薄だった機動六課も襲われて無傷のものは誰もいない。 後に残るは瓦礫の山ばかり。 後手後手に回る私達。 ギンガさんは攫われた。 エリオとキャロも撃墜。 スバルは・・・・・・そしてはんたは・・・・・・。 魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。 第18話託された希望、蘇る悪夢 「ヴィヴィオ!!」 悲痛ななのはさんの叫びが木霊する。 地上本部に残った私達がやっとのことで機動六課にたどり着いたとき、目にしたものは瓦礫の山。 最初はなにかの間違いだとさえ思った。 でも、いくら壊しつくされていても毎日見てきたそれを見間違えるはずが無かった。 一箇所に集められ横たわるシャマルさん達と、泣きながら回復魔法を続けるキャロの姿・・・。 それらが嫌でも目の前の現実を突きつける。 「アイナさん!!シャーリー!!グリフィス君!!みんな!!」 「なのは、落ち着いて!!」 「だって・・・・・・だって・・・・・・。」 羽交い絞めにするフェイト隊長に対して聞き分けの無い子供のように喚くなのはさん。 あれが本当になのはさんなのか。 いつだって笑っていたなのはさん。 圧倒的な力で凛として立っていたなのはさん。 それなのに今はまるで別人のように取り乱している。 今にも糸の切れた凧のようにどこかへ飛んでいきそうななのはさんを必死にフェイト隊長が止めているけど、 なのはさんは聞く耳を持ちそうにない。 撃墜されたらしいヴィータ副隊長にしても自身を庇ってダメージを受けたリイン曹長を抱きしめたまま。 泣きじゃくるキャロから話を聞いている八神部隊長も悔しさをかみ締めるかのように奥歯をギリリと鳴らしている。 ただ1人元気なシグナム副隊長が瓦礫の山を飛び越え捜索しているが、他の生存者を見つけたという報告はない。 でも、これでは生存なんて望めないのではないか。 不謹慎にもあたしは・・・、ティアナ・ランスターはそう思ってしまった。 だって、どう考えればこの状況で生きていられるなんて思えるだろう。 まるで砲撃魔法を容赦なしに叩き込まれたかのような、 広域空間攻撃を手当たり次第に放たれたような、一切の生存を許さないかのように破壊されつくした建物。 それこそ広域殲滅魔法を1度や2度叩き込んだぐらいで作られるような壊されぶりではないのだ。 これでどうやって生きていろというのか。 堅牢であるはずだった建物は瓦礫の山。 巻き添えを食っただろうガジェット達も例外なく残骸に・・・。 ところどころ引き裂かれ剥き出しになった配線がショートするたびに迸る紫電。 壊れた配管から噴出す水。 平然と鎮座しているドラムカン。 どう考えても生存なんて考えられ・・・・・・考えられ・・・・・・あれ!? ぐりんっと音がしそうな勢いで瓦礫の山を見つめる。 正確には、瓦礫の山の中で異様とも言えるほどに平然と鎮座しているドラムカンを・・・・・・。 なんでこんな場所にドラムカンが? ミスマッチなほどに平然とした、はんたとシグナム副隊長がよく押している、それがポツンと置かれている。 近づいて爪先でコツコツと蹴り飛ばしてみると硬質な金属音が辺りに響き渡った。 普通のドラムカンよね? 偶然かしら? そう思った次の瞬間、応答するかのようにガンガンと叩くような音が響く。 「隊長!!」 気がつけばあたしは絶叫するように隊長たちを呼んでいた。 ======== ドラムカンの下からぞろぞろと出てきたのは必死に探していたシャーリー達。 騎士カリムの協力もあって聖王病院にたくさんの機動六課課員が移された。 でも、その中にヴィヴィオはいない・・・・・・。 「ごめんなさい。ごめんなさい・・・・・・。留守を預かっていたのに六課のこと・・・・・・守れなくて。」 「シャーリーのせいなんかじゃないよ。」 「それにヴィヴィオのことも・・・・・・。なのはさんに、みんなに、なんて謝っていいか・・・・・・。」 シャーリーは嗚咽交じりにひたすらそう繰り返して泣き続けるばかり。 別の病室で会ってきたアルトもその顔を見るだけでどれほどの自責の念に駆られていることか分かるほどに・・・・・・。 そう、シャーリーやアルトのせいなんかじゃない。 誰のせいかっていうならきっと皆のせい。 想定外の圧倒的な物量差。 後手後手に回った六課の対応。 綿密に練られつくしただろう敵の制圧作戦。 徹底的に破壊し尽くされた惨状とリアルタイムで見せ付けられた鮮やかという言葉さえ霞みそうなあの光景が嫌でもそれを思い出させる。 だから、無傷だった課員は1人もいない。 でも・・・・・・。 それでも皆が助かったのは・・・・・・。 「バトー博士・・・・・・。」 口の悪いおじいさん。でも、誰よりも皆のことを心配していたんだろう。 友達の帰る場所を守るというためだけに・・・。 きっと当然のように全て予測しきっていたのだろう。 でも、どうにかできるだけの権限がない。 施設を改築したくても1日2日で防衛設備は整えられない。 皆の意識改革なんてできるはずもない。 危機感の薄さ、秘密主義、異常なまでの戦力ムラという機動六課の性質。 そして負けるはずが無いと慢心して戦力を全部つれていった私達の采配ミス。 ないない尽くしの機動六課・・・・・・。 例え私達の前で進言したとしても、はやてもなのはも、もちろん私も戯言で済ませてしまっただろう。 ザフィーラとシャマルがいてはんたくん達が詰めている機動六課が負けるはずが無いって・・・・・・。 そう思えるだけの前提がありすぎた。 でも結果は・・・・・・。 今までどうにかしてきちゃったから、そして皆よりも強い魔力を持っているからこそ忘れていた。 誰かを守りながら戦うっていうことがどれだけ難しくて、どれだけ自分の足枷になるかって・・・・・・。 本当になにを今まで習ってきたんだろう。 魔力だけが絶対のものではないと教えてくださったミゼット校長先生にどんな顔をして会えばいい・・・・・・。 いろいろ聞いてわかったことは1つだけ。 助かった人の言葉から推測すると六課のあの惨状はバトー博士がなにかをしたから。 じゃぁ、なにをしたのか? きっと、ううん、絶対にこれが正しいのだろう。 あまり長いとは言えないけれど、執務官として生きてきた私の記憶に似たような光景があったから。 ある次元世界でただの1度だけ遭遇した、衝動型でも劇場型でもない、怖気さえ覚えるくらい冷酷な爆弾魔。 そこにはヒロイズムのかけらも快楽もなく、滑るように移動してシングルアクションで淡々と爆弾を仕掛けてはブロックを吹き飛ばし、 ベルトコンベアーを使って爆弾を送りつけ、どんな構造になっているか知らないワープゾーンを使って離れた場所を効率よく爆破していくコミカルな外見とはかけ離れた冷淡さを持った白いヘルメットの彼。 同じ装束を着た黒や青や赤や緑の子を吹き飛ばした後、彼はどこかへ行ってしまった。 爆心地にいても平然としていたそんな彼のことを取り逃がしてしまったのだが・・・。 そんな彼が引き起こした光景とそっくりだった。 きっと、リモコンで爆破できる爆弾を準備して、それから起動六課を効率よく崩落させられる場所に連鎖的に爆発するように仕掛けてから敵を誘い込んだところを・・・。 でも、どうやってそんなにたくさん仕掛けたのか。 露骨なまでにそんな形をしていたなら、きっとはやても私もなのはも、ううん、起動六課にいる全員が見逃すはずが無い。 ふと、あの日の奇行が思い当たった。 戦車のフィギュア。 あの日、手のひらに載ってしまう、ともすれば可愛らしいという形容さえぴったりなそれを所々にばら撒いていた。 思い返してみれば、交差点や柱の近くに、狙うかのように展示されていなかったか? 粘土のように形を変えられる爆弾を使って、それを作っていたとしたら・・・。 爆発地点を基準にして真上と横に広がるのが爆風の特徴。 ・・・だから、ドラム缶の下に皆を逃がしたんだ。 できることならバトー博士だって逃げたかっただろう。 でも、バトー博士の作った脱出口にはハッチがなかった。 扉の開いたシェルターはシェルターの役割を果たせない。 誰かが扉を閉めないと・・・。 爆風なんかで簡単に飛ばない丈夫な扉・・・例えばドラムカンのような・・・。 もしも私が戦闘機人に足止めされなければ・・・・・・。 そんなことを考えてしまう。 いけない。思考が悪い方向によってしまう。 誰もが負傷して弱気になっているこんなときだからこそしっかりしないといけないのに・・・・・・。 そんなときだった。 パシューっと空気が抜けるような音とともに病室の扉が開く。 あれ?誰だろ? 今、私以外にここで無事に動き回れるのはシグナムぐらい・・・・・・。 もしかしたら仕事が速く終わったティアナかな? でも、振り返った先にいたのはまったく予想外の一機。 今までどこに行っていたのか、独特の造詣をしたロボット・・・・・・。 「サース・・・・・・デー?」 呆然とつぶやく私を横に、滑らかにシャーリーの傍らに近寄ると機械的な音声で言葉を伝え始めた。 「ワタシはばとー博士ノ助手ノサースデー。 ばとー博士ハ伝言ヲ残シタ。トモダチノタメニ伝言ヲ残シタ。 ばとー博士ノ弟子ノしゃーりーハばとー博士ノ伝言ヲ守ル。 ナゼナラしゃーりーハばとー博士ノ弟子ダカラダ。 泣イテイルバカリノヤクタタズヲヤメテサッサトばとー博士ノ仕事ヲ引キ継ゲ。」 ガチャリと音をたてたのはサースデーが押してきたリアカー。 その上に乗せられているのは4つのアタッシュケース。 しゃくりあげながら、そして目に涙をためながら、シャーリーはサースデーを見つめる。 サースデーは機械的に言葉を続ける。 「世話ノヤケルヒヨッコデアル、うすのろトのうなしひすてりートむっつりトこしぬけ用ノ追加パーツ。 力ガ足リズニ泣カナイヨウニ。タダソレダケノタメニ作ラレタばとー博士カラノ送リモノ。 泣イテイル暇ハナイ。サッサトシロ、ヤクタタズ。」 メガネを外してぐいっと目元をぬぐうシャーリー。 歯を食いしばり痛む体をこらえているのだろう。 松葉杖を片手に立ち上がる。 「作業場は?」 「ばとー博士ノ弟子ノ2号デアルマリエルノ所ガ使エル。」 「あの子達のデバイスは?」 「既ニ回収済ミ。分解済ミ。アトハメンテナンスヲ施シテ取リ付ケテ調整スルダケ。」 危うげにカツカツと松葉杖をついてリアカーを押して出て行くシャーリーを私はあわてて追いかけた。 フェイト達がいなくなった病室。 病室に残されたのは満身創痍で眠り続けるスバルとサースデーだけ。 誰に聞かせるわけでもなくサースデーは言葉を発する。 「ばとー博士ハ旅ニデタ。決シテ戻ラヌ旅ニデタ。 ばとー博士ハサビシクナイ。ナゼナラ多クノトモダチヲテニイレタカラ。 ばとー博士ハ帰ラナイ。 ダカラさーすでーハばとー博士ノ助手デハナクナッタ。 さーすでーハ最後ノ仕事ヲ成シ遂ゲタ。 ばとー博士ノ弟子ノしゃーりーニ伝言ヲ伝エル仕事ヲ終エタ。 さーすでーニ与エラレタ仕事ハナニモナクナッタ。 ばとー博士ハモウイナイ。 ダカラばとー博士ノ助手ノさーすでーハバトー博士ノ助手デハナクナッタ。 バトー博士ノ助手デハナイさーすでーハタダノテツクズ。 タダノテツクズノさーすでーハタダノテツノクズニカエル。 バトー博士ノトモダチタチ、セイゼイワルアガキシロ。ソレデハミナサマゴキゲンヨウ・・・。」 ピーっというエラー音。 鋭い音と共に火花が散る。 病室には眠り続けるスバルとサースデーだけ。 静寂だけが病室に残された。 やがてスバルの見舞いに訪れたティアナが病室で見たものは、 懇々と眠り続けるスバルと物言わぬオブジェとなったサースデー。 ======== 「嘘やろ?」 ザフィーラが庇ったから無事だったとはシャマルの言。 そんなシャマルは意識を取り戻してから自分の状態も忘れたかのように走り回って皆を治療して診て回っている。 そんな最中に私のところに真っ青な顔をして持ってきたカルテ・・・。 その内容に寒気を覚えた。 カルテに書かれた名前ははんた。 のらりくらりと健康診断を避け続けたはんたの理由がここにはあった。 空白など1つも無い。 隙間無くびっしりと書き込まれたカルテ。 「誤診・・・・・・なわけないわな。」 「ええ。はやてちゃん。信じられないけど、それが事実よ。」 「なんでこないな身体で生きていられるんや!?」 異常を示す項目しか存在しないカルテを片手に絶叫していた。 いくら医療の知識が無くても常軌を逸した異常ぐらい分かる。 少なくとも、料理と残骸の区別ぐらいはつくのだ。 内臓機能の大半が壊滅。 壊死を起こしていないことが奇跡とさえ言えるほどにはちゃめちゃなそれは日常生活さえ困難なはず。 食べ物を消化することはおろか、味も分からないだろう。 それ以前に体が食べ物を受け付けない。 平熱は何度?と言わんばかりの低体温。 ろくに起こらない発汗。 次の瞬間には停止してしていてもおかしくないほどに不規則な拍動を続ける心臓。 若々しい細胞に残された恐ろしく短いテロメア。 そして血液から検出されるのは常軌を逸した高濃度の未知の薬物反応。 他にもあげればキリがない。 「聞く意味さえ無い気がするんやけど・・・容態は?」 聞くまでも無い。駄目に決まっている。 棺おけの中に入っていないこと自体、奇跡と言ってもいいほどに壊れているのだから。 けれど、シャマルの口は別の言葉が紡がれた。 「一言で言うなら植物人間。復帰は絶望的なはず・・・なんだけど。」 「なんだけど?」 「アルファが治療を続けているわ。栄養剤だけを過剰なほどに・・・。他の薬は意味が無いからって・・・。」 ずいぶんとおかしなことを言った。 こんな考えするのも嫌なんやけど、デバイスがマスターの身を案じないはずがないのだ。 例えば昔の私とリインとヴォルケンリッター達のように・・・。 それが知らなかった私の罪やということは自覚しとる。 もちろん、今はそんな冷たい括りの関係じゃないって言える。 でも、デバイスとマスターの関係は、どんなに目を背けて否定したとしてもそんなものだという現実があった。 そのデバイスが薬の投与を無意味と言う。どういうことや? シャマルの言葉は続く。 「・・・アルファの言葉を信じるなら、既に生命活動を行える状態には戻したって・・・・・・。」 「でも、植物人間じゃ・・・。」 意味が無い。そう続けそうになってしまった。 「魂があるのならそれがまだ帰ってきていないのだろうって・・・・・・。」 魂なんていうものが本当にあるんやろうか。 アルファもいったいどういうつもりなのか見当さえつかない。 思えばはんたの振る舞いでおかしなことは度々あったのだ。 それこそ出合ったときから・・・・・・。 リンディさん顔負けの砂糖水や塩水を平然と飲み干してしまったりとか、 気がつけば飲んでいるドリンク剤、きっとうちらが考えるのもバカらしくなるくらいアブナイくすりだったのだろう、とか、 シャマルの料理を平然と食べる様とか、 時折とぎれる会話とか、思い出を話すときの呼び方の違和感とか・・・。 他にもいろいろあったのだ。 それなのに・・・。 皆を助けたいという私にもフェイトちゃんにもなのはちゃんにも共通したこの思いに偽りはない。 けれど、傍らにいた人の大事を見過ごしてしまった。 順風満帆に最初から最後まで進んでいけるとは思っていない。 そこまで人生を舐めてはいないから。 でも、今度ばかりは弱音を吐きたくなった。 誰でもいいから傍らで支えて欲しいって・・・・・・。 うちは隊長さんなんや。 折れそうな心を見せたら皆が引きずられてしまう。 それに今はなのはちゃんもフェイトちゃんも出払っている。 ただ1人で立ち続けるしかない。 それでも、頼むから・・・・・・。 今しばらくだけでいいから。 これ以上、悪いことは起こらないでください・・・・・・。 ただ、薄情だとは思うけどたった1つだけ安心したことがある。 それは、はんたがこれ以上最悪になりようが無いというただ1つの事実・・・。 ======== シャマルがマスターの病室を出て行って、ここに再び静寂が訪れた。 今頃、カルテを片手に大騒ぎしていると予測される。 ベッドの上には眠り続けるマスター。 無機質な電子音だけが部屋にこだましている。 安全な場所まで退避して即座に行ったのは、ユニゾンによる肉体の強制的な修復。 デバイス側の主導でマスターの肉体を改変するその操作はアクセス権限が与えられていなければ不可能な行為。 その行為によってマスターは現状を維持している。 結果的にマスターの命を繋げたとはいえ、それはデバイスとマスターのあり方への反逆に他ならない。 マスターとスレイブが逆転する本来であればユニゾン事故のカテゴリに区分される行為。 しかし、私に全権譲渡さえ躊躇うことなく行えたマスターだからこそありえた現状。 肉体は可能な限り元に戻した。 けれど意識だけが戻らない。 自発呼吸、新陳代謝、脊髄反射、対光反応、他のありとあらゆる生命活動に必要な機能は稼動している。 もっとも、代謝だけは正常な人間に比べればはるかに少ない。 原因は分かっている。 それこそがハンターを生涯の仕事とすることが出来ない理由。 薬物中毒・・・・・・。 細胞分裂の限界数たるヘイフリックの限界や細胞の寿命テロメアについてはその寿命を延長する手段がいくらでもある。 不治の病に侵された狂気の天才バイアス・ブラドが全身全霊をかけて取り組んだ課題が不老不死ゆえに。 それは人類が文明を築いてから多くの権力者が夢見ては挫折していった課題。 彼が目的に至る過程で生み出された多くの派生技術は医療技術の発展に貢献した。 その過程の中で生み出されたのが猛毒オイホロトキシン。 擦り傷、切り傷と言わず錠剤1つで怪我を治す回復カプセル。 瀕死すれすれの体さえ元通りにしてしまう満タンドリンク。 飲むほどに常軌を逸した怪力と反応速度を肉体に与えるドーピングタブにスピードタブ。 人間に限らず生物ならば、たった1錠で錯乱状態に陥るサクランHI。 その広域型の神経ガスであるDDTスプレー・・・・・・。 あの世界由来の薬にも毒にも多かれ少なかれこれが必ず入っている。 理由は1つ。 人間が痛みに耐えられないから。 治りかけの傷口に疼痛を覚えるように、切除されて存在しなくなった部位に幻痛を覚えるように、 生体部品で作られた精密機械たる人間は認識と現実の剥離によって引き起こされる痛みに悩まされる。 自然治癒ですらそうなるのに、大きな欠損をナノマシンで急激に修復した結果として痛みと認識のずれは際限なく大きくなり脳は簡単にオーバーフローを起こす。 ナノマシンや薬物による化学反応によって引き起こされるありとあらゆる病状の強制修復。 それに対して騙しきれない脳が拒絶反応を起こし、治った部位に激痛を与え、やがてはネクローゼに至る。 暗礁に乗り上げたナノマシン治療。 それを解決したのがオイホロトキシン。 本当に微量のオイホロトキシンを混ぜるだけでその問題はクリアされた。 これによって常備薬の次元で行えるナノマシン治療の水準が跳ね上がり、ナノマシン事業も軌道に乗ったのは事実。 しかし、多くの人間が忘れてしまう。 本来、薬と毒はイコールで結ばれるもの。 痛みと生存本能は直結しているシステムだということ。 痛みを無くすという薬は大破壊以前から存在する。 けれど、オイホロトキシンにはそれらとは明らかに違う点がたった1つある。 それは、運動機能を維持したまま痛みを無くすということ。 脳内で起こる化学反応を妨害、あるいは脳の機能を部分的に鈍化させてなどといったものとはその点だけが明らかに違う。 本来、薬というものは人間の体にとって異物。 コインの裏表のように作用には反作用がなければならない。 それでもさすが天才が作り出したもの。 2つのことさえしなければなにも問題は無いという破格の条件がついている。 大量摂取するか、常用するか・・・・・・。 破ってしまったならその先に待っているものは・・・・・・。 マルチタスクの1つに走らせていた思考を中断。 並列してあらゆる情報を処理していく傍ら、視線だけはマスターにロックされている。 そのマスターはピクリとも動かない。 私に出来ることはただ、こうしてマスターの手を握ることだけ。 医療行為としてまったく意味の無い行為だと分かっている。 私に可能な行為は全て行った。 マシンである私は奇跡なんて信じない。 でも・・・。 ・・・・・・レッドフォックス。 もしもあなたがいたなら、こんなときになにを? マスターにどのような言葉をかけるのでしょう・・・・・・。 ======== 「クククク、フハハハハハハハハ・・・。」 スカリエッティのアジトの1室。 狂ったように上機嫌な笑いをあげ続けるスカリエッティ。 どれほどの間、そんな笑いを上げていただろう。 5分?10分?それ以上? 何に対して笑っているのか。 テンプレート通りの行動さえままならなかった管理局のあまりの無能さ加減か? それとも、それに作られた己というものの存在意義か? あるいはその両方・・・。 自分で自分達を滅ぼす生き物を作るというあまりにもおろかなその行為に、スカリエッティは笑いを堪えきれなかった。 今頃、評議会の脳みそどもは歯軋りしているだろう。 もっとも、歯軋りする歯なんてやつらにありはしないが。 さて、私もさんざん笑わせてもらったし、間が空いては観客が退屈してしまう。 「さぁて、絶望しきった管理局の無能どもに更なる絶望を与えてやろうじゃないか。」 次の演目を始めよう。 そして、この演目が始まったとき、管理局の敗北は確定する。 ルーテシアの地雷王達によって封印が解かれる。 その名を聖王の揺り篭。 古代ベルカにおける破壊の象徴。 これが衛星軌道に到達すれば管理局になすすべは無い。 アルカンシェルも持ち出せぬよう既に手配済みだ。 クロノ・ハラオウン率いる次元航行艦隊など出番さえありはしない。 所詮脇役、見せ場どころか舞台に上がることさえできず終わることだろう。 そんなところに私の作品達による多方面からの同時襲撃。 これに管理局は手も足も出まい。 おやさしい管理局様はただ泣いて喚くしかできない市民を見捨てられない。 もっとも、その管理局様は揃いも揃って無能揃いで力も無い。 なんせ有能な人材を片っ端から引き抜いていったのは海だ。 そのツケを今、ミッドチルダを代価に払わされるわけだ。 それにだ・・・。 ずらりと並んだ培養槽に視線を移す。 中に浮かんでいるそれらは、私がロッソと名づけた個体。 当初の計画では、聖王の揺り篭周辺が手薄になるという欠点があった。 もちろんAMF環境に放り込んでやればガジェットドローンの優位性に、機動六課を除いて、管理局は手も足もでまい。 しかし、スクライア一族の中でも秀でた才能の持ち主、無限書庫の司書長ユーノ・スクライアがやつらにはついている。 やつらはきっとこう考える。 『聖王の揺り篭を止めなければ・・・。』 とはいえ、地上を見捨てることもできないお優しい八神はやてはひよっこどもを地上に配備することだろう。 餌としてタイプゼロもつけておいたのだから。 残ったメンバーのうち、フェイト・テスタロッサは確実に私が待つこのアジトを攻めにくる。 私を捕まえなければ管理局は永久に追い立てられっぱなしになるのだから。 とはいえ、戦力を裂けない以上、来るとすれば単機となる。 もしかしたら聖王教会が動くかもしれんが、大差ないだろう。 やつらはレジアスのやつを捕らえにも行かねばなるまい。 だが、向こうにはゼストが行っている。 きっと無意味な深読みをして、優秀な戦力である剣の騎士シグナムを送り込むことだろう。 もっとも、それは無意味な行動で、ついでにいえばレジアスのやつは生きて明日を迎えられはしないだろうがね。 さて、そうなると残る戦力は高町なのは、鉄槌の騎士ヴィータ、そして八神はやての3人。 盾の騎士は病院、湖の騎士は戦闘向きではない。 イレギュラーに成りえたあの男とはじっくりと話したかったのだが、やつも入院したらしい・・・。 神なんて信じてはいないが、全てが私を祝福しているかのような状況じゃないか。 まず間違いなく、最大火力を誇る八神はやては愚かにも指揮を執るために動けなくなるだろう。 無能な局員など見捨てて攻め込めばよいものを。 せっかくのユニゾンデバイスも宝の持ち腐れというもの。 そうなれば残り2人が乗り込んでくる。 揺り篭の内部がガジェットのAMFなどおもちゃに思えるほど高密度のAMFになっているとも知らずに。 そして待ち受けるのは聖王の揺り篭の防衛システムと、私のガジェットとナンバーズ。 最後に立ちふさがるのは聖王ヴィヴィオ。 魔王は魔王らしく他人など屠ってしまえばいいものをきっと助けようとあがくだろう。 クローンとはいえ伝説である聖王閣下相手に、身の程知らずにもだ。 だが、万が一ということもある。 そもそも聖王の揺り篭に乗り込ませなければ私の勝ちなのだ。 やつらは想像すらしていまい。 このアルハザードからもたらされた画期的なクローン技術を・・・。 従来のクローン技術ではほんの僅かな誤差が性能に影響を及ぼした。 成長促進しようにも空けてみるまでは分からぬクローン体が失敗作であったら目も当てられない。 それこそ娘を蘇らせようと足掻いたプレシアのごとく。 だが、このクローン技術ならば完全なる同一の個体が作り出せる。 よもやインヒューレントスキルさえ継承する同じ個体をいくらでも作り出せるなどとは夢にも思うまい。 鏡に映したように対照的な遺伝子が生まれるなど、天才である私ですら考えもしなかったことだよ。 とはいえ、私の作り出したナンバーズはああ見えて繊細な子達に育ってしまった。 自分とまったく同じ個体を目にしてしまえばアイデンティティが維持できず自己崩壊を起こすリスクもある。 だが、唯一関係ない個体が1機。 数字の名前を与えなかったイレギュラーたるアルハザード最強の女ロッソに組み合わせる。 ただ機械のごとく殺戮するだけの個体にアイデンティティもクソもありはしない。 あまりにも安易すぎて天才である私が思わず躊躇ってしまうほどに凶悪な組み合わせ。 さぁ、これを前にいったいどうするのか。 今から楽しみで楽しみで仕方が無い。 しかし、気のせいか。 クアットロにクローニングを任せたが、私の予想よりも個体数がやけに多い気がするのだが・・・。 私の推定では250ほどだったはずなのに・・・。 まぁ、さして問題はあるまい。 Aランク魔導師に匹敵する戦闘機人1000体の前には・・・。 力で押さえつけてきた時空管理局が力で潰される。 これほど胸がすく光景はきっと無いだろう。 ああ、待ち遠しい。 傍らのディスプレイに浮かぶのは、長年の眠りから覚めた古代ベルカの遺産。 名を聖王の揺り篭。 ただの1機で世界を制圧した究極の暴力。 あとは、これが衛星軌道に到達するのを待つばかり。 せいぜい悪あがきしてくれたまえよ。管理局の諸君。 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3303.html
マクロスなのは 第4話『模擬戦』←この前の話 『マクロスなのは』第5話「よみがえる翼」 午前の模擬戦を終え、食堂で一息いれていたアルトに凶報が届く。 あらかた食べ終わっていた焼き魚定食と自分との前に現れたのは無機質な金槌だった。 「午後はあたしと戦え!」 そう殴り込みに来たのは隊舎内なのに、未だ赤いバリアジャケットに身を包んだ小さな少女。しかし、アルトは彼女が外見で計れないことは知っていた。 かつて六課設立記念パーティーがあったとき、食堂で珍騒動が起こった。あの時その身の丈の数十倍は巨大化した、そして今、目の前に突き出されたハンマーはなんといったか。そう、確か『グラーフアイゼン』だった。 そしてバルキリーの改修完了時、なのはの砲撃でも一撃では簡単に破れないであろうバトロイド形態の時のPPBを盛大にぶち抜いたのもコイツだった。 そんな事を思い出していると、彼女の後ろにいたもう1人が声を上げた。 「その後、私もお願いするわ」 と言う女性は茶色い地上部隊の制服を着用し、腰すら超える金髪の長髪をストレートにした女性だった。 しかし、その温和な物腰に隠しきれない戦闘意欲が垣間見える。これは彼女がこの六課で、シグナムと並んで〝バトルマニア〟と呼ばれる所以だろう。 「しかしまだ整備が―――――」 「んなん大丈夫だろ? とっとと来い!」 アルトの微々たる抵抗は有無を言わさず却下された。彼はこれを断れない自らの准尉という階級を恨んだ。 目の前の、頭に〝のろいうさぎ〟のぬいぐるみを載せた外見年齢12、3歳(実年齢はどういう訳か特秘となっていた)のヴィータが二等空尉。そして隣のフェイトは1歳違うだけなのに一等海尉(執務官は称号)・・・・・・ 「わかった!わかったからせめて飯を食わせろ」 「・・・・・よし、食ったらすぐ来いよ」 食卓との間を遠く隔てていたハンマーが退けられ、ヴィータとフェイトの2人は食堂から出て行く。 そして自身の食事に視線を戻すと、あと2口ぐらいで完食してしまうだろう定食が目に入った。 (この程度の抵抗しかできないのかオレは・・・・・・) そんなことを考えながらすずめの涙のように残った味噌汁を飲み干してやる。そしてお椀を盆に戻すとき、骨身になってしまったさばの焼き魚と目があった。それは 「次はお前だ」 と言っているような気がした。 (*) 今度の模擬戦は全てのハンデが解消され、可変にPPBに空中戦にと存分に戦えた。しかし、たまった疲労は確実に彼と機体を蝕んでいた。 エンジン出力の不安定な変動などが原因でヴィータとの模擬戦は相討ちに終わり、続くフェイトとの模擬戦は、アルトの撃墜に終わった。 (*) 格納庫へとアルトが機首向けた時、日は傾きかけていた。 VF-25は整備なしで酷使されて機嫌を損ねたのか、ガウォークの右足からは異音がする。そして遂に――――― アルトは突然の浮遊感を感じて驚いた。 警報ががなりたてている。多目的ディスプレイには大きく〝エンジントラブル〟の文字。どうやら先ほどから不調を訴えていた右舷エンジンが止まったらしい。 右舷だけだが、2基の足で空中をホバリングするガウォーク形態だったからたまらない。たちまち姿勢を崩し、キリモミ落下を始めようとする。すぐにスラストレバーを倒し、推進モーメントのバランスがとれるためエンジンが片方だけでも飛べるファイターに可変しようとするが、変形機構も言うことを聞かなかった。 ここは高度2000メートル。下界はすでに陸地のため墜落すれば大破では済まないだろう。 「イジェクト(緊急脱出)しかないのか・・・・・・!」 機体を振り返って確認する。 キリモミ落下の始まった機体を立て直すには高機動スラスターだけでは荷が重いだろう。 しかしアルトはそこで天命を受けた。翼が白い尾を引いていたのだ。それは彼にここが大気のある天体である事を思い出させた。 「そうか、空気に乗れば!」 普段から風を読むことに関して冴えた才覚の持ち主である彼は第六感とも思えるその能力で、見えないはずの上昇気流を地形、日照等から瞬時に割り出す。そして生き残った左舷エンジン(左足)と両翼を駆使してその気流へと突入して落下速度を減殺し、錐揉み方向と逆の方向のラダーを一杯に踏み込み、スティックを錐揉み方向へ目一杯倒す。また、可変ノズルと高機動スラスターもエマージェンシーモードのコンピューター制御で機体を水平にしようと青白いきらめく粒子(現在VF-25は魔力を推進剤代わりに使っているため)を噴き出す。 パイロットを含めた機体の全てのシステムが一体になって墜落を防ごうとその能力をフル活用する。そうした結果、対地距離が100メートルほどになったときにはなんとか機体は水平を維持し、高速で螺旋回転をしながら降下していた。下界の地面が迫る。 アルトは次の瞬間にはやってくるであろう衝撃に備えて呼吸を止め、身を固めた。 (着地!) まずガウォークの足が地面に触れる。もちろんいつもの垂直着陸ではないのでその足はこの形態で出しうる限界の速度で走っており、螺旋回転のエネルギーを地面とその足のサスペンションで受け止めていく。 おかげでカクテルシェイカーのように上下振動するコックピット。 ISC(イナーシャ・ストア・コンバータ。慣性エネルギーをチャージすることでその慣性を一定時間抑制する)によってなんとか〝ケチャップ〟にならず命を繋ぐアルトは意識を失いそうになりながらでも機体を保全するため可能な限りのエネルギーをエネルギー転換装甲へと回し、その生き地獄を耐える。 途中で何かに蹴躓いたら最後、高速道路の車並みのスピードでVF-25とそのパイロットの命は硬い地面に投げ出されることになるだろう。 そのパイロットが誰なのか?と考えると彼は生きた心地がしなかった。 その時、地面にある〝もの〟がその驚異的な視覚によって捉えられた。 (なんであんなとこにブロックが!?) 六課の海岸線に花壇を作ろうと大量のレンガを一時的に置いていた場所、そこへ向かってガウォーク形態のVF-25は邁進していた。 その集積所は見る見る近づいていき――――― (*) 「止まった・・・・・・のか・・・・・・?」 振動が収まり周囲を見渡す。海辺では波が揺れ、植えられた草木は風に気持ちよくそよいでいる。レンガ集積所も無事だ。そして何より、地面が動いてなかった。 トラブル発生からの時間は1分に満たなかったかもしれないが、アルトにとってそれは永遠にも思える時だった。 (*) こうしてアルトはなんとか着地に成功した。 しかしJAF(レッカー車)などないため、ヴァイスの輸送ヘリを要請。格納庫へと空輸した。 こうして搬入されたVF-25に即座に点検が行われる。整備員達が一昔前の医療用の内視鏡のようなものと、超音波スキャナーでエンジン部を点検していく。 2時間後、原因の一端が判明した。 右舷エンジンのファンが破断してズタズタになっていたのだ。これは左舷エンジンも同様で、それでも最後まで動いてくれたことにアルトはVF-25を撫でてやりたくなった。 「見たところ小石が原因ですね。午前の模擬戦で空いた穴を午後で悪化させたみたいです」 とは整備員の言だ。 どうやらそもそもの原因は、午前の模擬戦の時、転換装甲なしのバトロイドで戦闘したことにあるらしい。 推進力アップのためバトロイドでは普段シャッターで閉じられているはずのエアインテーク(給気口)を開けていたのだ。その時入り込んだ大量の小石にファンが耐えられなかったようだ。 整備員は同様の材料を使った補修材で直すことを提案したが、アルトは待ったをかける。 レンガ集積所を反射的にジャンプしてかわしたが、その無茶な運用と、ガウォーク形態で走りながら着地するという前代未聞の不時着方法によって半壊してしまった一体形成型のベクタードノズル(足)は補修材では強度に不安が残るからだ。しかし、そんな規模・設備は技研の方にしかないらしい。 そこでアルトはその許可を求めるために部隊隊長室に向かうことにした。 (*) アルトが廊下を歩いていると、途中でバッタリと、ヴィータとフェイトに出くわした。 (どう文句を言ってやろうか・・・・・・) とずっと考えていたアルトだが、予想に反して2人はすぐに頭を下げ 「ごめんなさい!ごめんなさい!」 と、ペコペコ謝った。 (・・・・・・なんだ。案外素直な奴らなんだな) フェイトはともかくヴィータは階級パワーを使って 「あれくらいで壊れる飛行機の方が悪い」 とか言って逃げると思っていたため、本気で謝っている2人の様子に毒気を抜かれてしまったアルトは、文句を言うのを忘れ、さらりと2人を許して部隊長室への歩を進めた。 (*) 着いた部屋の表札には『機動六課 部隊隊長室』とある。 (そういえばはやてに会うのは2日ぶりになるのか。確か食堂で昼食を食いながら「来週までの書類処理が大変!」とか何とか言ってたな・・・・・・) そんなことを思い出しながらノックしようとした時、ドアの向こうから声が聞こえた。 『わぁ、リイン、綺麗な朝日だねぇ~』 どことなく上の空に聞こえる声。これははやての声だ。 リインとは、正式名称を『リインフォースⅡ(ツヴァイ)』といい、はやてのユニゾンデバイス(術者と融合することで、その者の魔法のパフォーマンスを向上させるデバイス。しかし彼女自身もクラスA相当のリンカーコアを持ち、単独の魔法行使も可能)で、妖精のような小人だ。 アルトは自分の認識が間違っているのか不安になって腕時計を見る。 (間違いない。今は〝午後〟6時だ) つまり、窓の外に見えている太陽が朝日であるはずがない。 『はい~、また仕事が始まるですぅ~』 今度はリインの声だ。彼女の声もどこか浮いている。しかしここで考えていても仕方ない。怪訝に思いつつも扉をノックした。 『はぁ~い、誰ですかぁ~?』 リインの声だ。彼女は普段はやての秘書をしているため、こういう返事は原則的にリインが行うことになっていた。 「早乙女アルト准尉です。八神はやて部隊長にお話があります」 『んがっ!ア、アルト君!? ちょ、ちょっとごめんな。少し待っといてや!』 答えたのはリインでなく、はやてだった。直後内側からは何かが倒れる音や、2人の悲鳴などが聞こえた。 しばし待つと、入室の許可が降りた。 「失礼します」 アルトは注意深く中に入る。そこはまさに異世界だった。 空気は完全にコーヒーの匂いに占拠され、床には所々書類の山がある。 「おはようアルト君。朝、早いんやな」 床から目を離してはやての声のする方を見ると、そこには彼女に見える人がいた。 制服はしっかり着こなしているが、気づかなかったのかサラサラであるはずの茶髪の髪がボサボサで酷く荒れている。また、役者である自分から見ても涙ぐましいほど必死に笑顔を作っているが、目の下の隈が不気味さすら漂わせていた。 (まさかコイツ・・・・・・) 「・・・・・・なぁはやて、今日が何曜日かわかるか?」 はやては突然の問いに思案顔になる。 「うん? 確か書類の処理を始めたのが月曜日の昼で、今は日付が変わったから・・・・・・火曜日やな」 「今は水曜日の午後6時だ!」 どうやら自分が食堂で彼女を最後に見てから今までの2日間を貫徹をしていたようだ。 窓には分厚い雨戸のようなカーテンがあり、それで外光を完全にシャットアウトしていたのだろう。 食事もゴミ箱に放り込まれたプラスチック包装の量から推察できた。たくさんの備蓄が消費されたようだ。 (人間のリズムが太陽の光を浴びないと狂うとはガッコ(学校)で習ってはいたが、まさかここまでとは・・・・・・) のべ48時間を越える彼女の集中力には畏敬の念すら覚えるが、おかげで頭も回らないようで、こちらの突きつけた真実に 「え!? ウチ、タイムスリップしてもうたん?」 と言っているあたり末期だ。 しかし、ここで彼女を追い詰めてもこれもまた仕方ないので早々に本題に入ることにした。 「バルキリーの本格的な修理をするために、管理局の技研に運び込みたいんだ。許可をくれないか?」 「え?まぁ、ウチはかまへんけど、どうして壊れたん?・・・・・・うちの整備員が何か粗相をしてもうたんか?」 「いや、アイツら(整備員達)は知らない技術相手に十分頑張ってるよ。それで壊れた理由なんだが実は―――――」 これまでの経緯を説明すると、彼女はすぐに頭を下げた。 「うちのヴィータがご迷惑をおかけしました」 「いや、さっき本人達から謝られたからそれはもういい。それで修理するとき機密面から俺もバルキリーに同行したいんだ」 そう言うと、はやては気の毒そうな顔をして言う。 「透視魔法に転送魔法。素粒子スキャナーにMRI(磁気共鳴映像装置)・・・・・・ウチは魔法以外のことはよく知らんから他にも色々あると思うんやけど、たぶんランカちゃんのAMFでも守りきれんで」 「じゃあ、この世界は覗き放題か。機密もあったものじゃないな」 と言うと、そこはそれ。 個人情報や機密事項を守るための守秘プログラムがあり、それは主に施設そのものやデバイスの管轄で、個人情報はデバイス、機密は施設とデバイスの双方で守るらしい。 「でも今回は、施設の所有権が向こうにあるから支援は期待出来ん。それにデバイスの守秘プログラムではバルキリーは大きすぎて現状では守りきれんのや」 そう諭すように続けるはやてだったが、あのVF-25はSMSから預かった大切な機体。このまま引き下がることはできない。 「それでもいい。同行させてくれ!」 食い下がると、彼女はあっさりと許可を降ろした。やってみればわかるということなのだろう。 ともかく同行できるだけでもよしとしよう。と思いなおすと、簡単な輸送の手続きを済ませ、部屋を出た。 (*) その後彼女たちは鏡を見たのだろう。結果として、六課の隊舎全てに響く悲鳴が発生したことは、言うまでもない。 (*) 次の日 はやての手配した大型トレーラーに載せられたVF-25は技研へ向かう。しかしそのトレーラーにはアルトの姿はなかった。 「昨日は本当にごめんね」 そう謝りながら自身の愛車を運転するのはフェイトだ。 「あぁ。なんてことはないから安心しろ」 アルトは答えると前方のトレーラーに視線を注ぐ。幸い、トレーラーにはビニールシートが掛けてあり、それをVF-25と思う人間はいないだろう。 ちなみに、フェイトは純粋にアルトを送るために乗せているのではない。もちろん償いの意味もあっただろうが、彼女のデバイスの改良は今度、大規模なOT・OTM取り入れだった。そこで、設備の大きい技研で改良及び調整をするためらしかった。 こうして2人でそれぞれ自分の世界の事などを話ながら2時間ほど車に揺られていると、ミッドチルダ一(いち)の高さを誇る『富嶽(ふがく)山』の麓まで来た。そして大した時も置かずトレーラーが門の前に到着した。 表札には『時空管理局 地上部隊 技術開発研究所』の文字があった。どうやらここらしい。 検問で簡単な確認を済ますとゲートが開き、中に入った。 入ってすぐの建物は鉄筋コンクリート製の六課よりも小さいビルで、所々ヒビが入っていた。しかし企業団の出資によって達成された予算拡大の影響か、補修と拡張工事が急ピッチで進んでいた。 VF-25を載せたトレーラーは新設されたらしい真新しい格納庫へ入っていき、自分達を乗せた車もそれに続く。 格納庫内には人間が1人もいない様だった。代わりに誘導は滑走路の誘導灯ように地面に光の道が浮かび上がり、それに沿って進むよう指示されるようだ。 トレーラーはやがて巨大な自動洗車機のような所で停まった。そしてトレーラー本体と荷台とを切り離してVF-25の乗った荷台を置いていくと、トレーラーはそのまま格納庫から出でいく。だが自分達は誘導によって格納庫内を一望出来そうな制御所の下に停車させられた。 「じゃあ帰りも送って行くから、その時は呼んでね」 フェイトは車を降りたアルトにそう告げると車を発進させ、格納庫から出ていった。 それを見送ると、トレーラーに載せられている愛機VF―25を一瞥して制御所の方を見上げた。 その制御所はそれほど大きくなく、壁にくっついた箱のように設置されていた。 そして足元にはまっすぐ伸びる光の道。どうやら地面には簡易的なホログラムテクノロジーが使われているようだ。 「・・・・・・あれに乗ればいいんだな」 光の道の終着点である制御所すぐ下のエレベーターを見つけて呟く。だがこの広さに比してのあまりの静けさに 「誰もいない格納庫は気味が悪いもんだな・・・・・・」 とSMSの整備員が整備、点検、修理と24時間体制で作業をしていたマクロスクォーターを懐かしく思いながらそこへ向かった。 (*) エレベーターはゆっくり6メートルほど登って止まる。そしてドアが開くと、白衣を着た研究者が1人、アルトを迎えた。しかし――――― (お、親父!?) その顔は自らの父、早乙女嵐蔵にそっくりだったのだ。 「こんにちは、早乙女アルト君。私はこの技研の所長をしている田所だ」 だが他人の空似のようだった。嵐蔵の巌(いわお)のような雰囲気と違って人の良さそうなそれを放っていた。 「・・・・・・よろしくお願いします」 握手を交わす。田所所長は生粋の技術屋らしい。シワの多い手には無数の傷があった。 「君の境遇は八神部隊長から聞いている。早く君の世界が見つけられる事を祈っているよ」 「はい、どうも」 しかしその静かな中、外から場違いな歓声が聞こえた。 『デカルチャー! デカルチャー!』と。 こちらの怪訝な顔に気づいたのだろう。田所が窓越しに1軒の建物を指し示す。 「今所員のほとんどが休憩の許可を受けていて、あそこに集まっているんだ。どうだ?あいつらが戻ってくるまで検査は始められないし、君も行くか?」 「・・・・・・ん、あぁ。わかった。」 1人残されても仕方ない。と、所長の後を追った。 (*) 臨時の休憩所となっている大型食堂は歓声と熱気に包まれていた。 皆一様に展開された大型のホロディスプレイの映像を見ながら声援を送っている。画面の中には自分がよく知る、緑色の髪をした少女がステージ上で歌っていた。 (そうか、ランカのセカンドライブは今日だったな・・・・・・) アルトは2日前に彼女から送られて来たメールの内容を思い出す。 ランカは六課の一員だが、現在次元世界各国でチャリティーライブを続けていた。 ちなみに、管理局の企業団の出資を含めた全予算の25%に上るライブで集まったお金は、9割近くが貧困に喘ぐ次元世界の救援物資に化けている。 「しかしなんて華(はな)だ・・・・・・」 思わず生唾を飲み込む。 容姿が、ではない。もちろんそれを否定するわけではないが、もっと、その立ち居振る舞いのほうだ。 ただ舞台に立つだけで、全ての人間の耳目を集めてしまう〝華〟。 彼女の笑顔が光の矢となって放たれる度に血が熱くなるのを感じる。 第25未確認世界を席巻していた彼女の人気は、この世界でも健在だった。 ランカの歌声は既に全次元世界を駆け巡り、超時空シンデレラの名に恥じぬ人気を叩き出している。 また、彼女によって終結した戦争、紛争も少なくない。 学者達はこの現象を『フォールド波が人の聴覚に直接作用して、理性に直接的な感動を与えている』と言う。 だがそれならフォールドスピーカーを使った全ての歌に普遍的に作用されてしまうはずだ。しかしそんな調査結果は出ていない。つまり科学的にはなかなか説明は難しいのだ。 だがアルトの様な人間には、彼女の歌がなぜこんなにも聴衆を引き付けるかわかる。 彼女の歌には、彼女を支え、愛してくれている世界に対しての無償の愛がありありと感じられるのだ。 それは人々の心の奥で忘れかけている母親の愛を連想させる。そのことが、特に戦場で荒んだ兵士達の心に響くのだ。 上からの命令で日々人を殺めたり、傷つけたりしている内に彼らは、人間より生体兵器に近くなる。そんな彼らに母の愛を思い出させるとどうなるか。 母の愛とは無論、無償の愛であり、よほど偏屈した家庭でない限りそれは自らの存在を許し、生かしてくれるものだ。それが双方敵味方を越えて存在することを思い出した彼らは、もう戦争などという愚かな事はしないのだと。 (*) 熱狂の中曲が2~3曲終わると、休憩タイムに入る。この局は国営放送だがCMを流すようだった。 人混みの中、田所とはぐれたアルトは彼を探していると、視界の端に研究員の白衣や作業員の灰色のジャンプスーツ(つなぎ)とは意が異なる茶色の服を着た女性(ひと)が写った。 「あれ、アルト君も?」 「どうやらそっちもランカ・アタックのようだな」 「うん。着いて誰もいないから、警備の人に理由を聞いたの。そしたらみんなここだって」 フェイトは苦笑を浮かべつつ言う。 『ランカ・アタック』は、第25未確認世界の『ミンメイ・アタック』に相当する。これは彼女らの歌が戦闘を止め、ほぼ精神攻撃とも取れる事からこの名がついている。 また『デカルチャー』も、第25未確認世界の言葉だ。これは元々ゼントラーディ(巨人族)の言語で、『感動』や『驚愕』を意味する。元の世界では陳腐化していたが、ここではランカが時々口にすることから彼女が持ち込んだ新しい文化として大ブレイクしていた。 「まったく・・・・・・」 ため息をつきながらテレビに向き直ると、丁度CMが変わった。 ―――――――――― 大写しになるVF-25のキャノピー。そしてどこからか流れてきた『星間飛行』と共にそれが開く。 「みんな、抱きしめて。銀河の、果てまでー!」 副操縦席で立ち上がったランカのその常套句が、労働争議中の時空管理局本部ビルに響き渡った。 直後曲をBGMに、画面が切り替わる。 「テレビの前の皆さんこんにちは。ランカ・リーです!」 ステージ衣装を身に纏ったランカが挨拶した。バックには、時空管理局のエンブレムが躍る。 「時空管理局は平和を守るっていう、すっごい大切な仕事をしています!だけど・・・・・・」 声と緑の髪が落ち込むようにシュンとなる。そこでランカの肩に手が置かれた。 手を置いた彼女は今、隣でその人が着ているような地上部隊の制服ではなく、本局の真っ黒な執務官の服を着ている。 「でも今、管理局の地上部隊は人材不足に陥っています」 そこに今度は陸士部隊の礼服を着て、画面右側から出てきたはやてがフェイトの後を継ぐ。 「地上部隊はランカちゃんのおかげでだいぶ待遇も改善されたで。それに今なら重要なポストもけっこう空いとるよ!」 「来たれ勇士達。私達は、あなた達を待っている!」 最後にバリアジャケット姿のなのはが画面上からやってきて、アップと共にレイジングハートを〝ズバッ〟とこちらに向けて大見得を切った。 「「みんなのミッド、みんなで守ろう!・・・・・・キラッ☆」」 最後に4人の声が唱和し、同時にやってきたBGMに合わせ〝なぜか〟決めポーズ。 画面がまた切り替わる。そこにはまた大きく時空管理局のエンブレムが描かれていた。 そこにランカの声が重なる。 「こちらは時空管理局広報です」 ―――――――――― 冒頭の労働争議の映像はその時撮られたものではない。1週間前に時空管理局広報部から正式に依頼されてホログラム場で再現したものだ。そのためこのCM撮影は、六課も全面的にバックアップしていた。 しかし完成版のCMを初めて見たアルトは苦笑した。 ランカは台詞を頭で演じているようだ。多分台本通りに読んでいるのだろう。これではあまり聴衆の深層心理には訴えられない。 しかし、他3人の訴えには心がこもっていた。やはりまだ来てから1ヶ月では、日々実感するであろうはやて達3人にかなうものでもなかった。 「思わざれば花なり、思えば花ならざりき・・・・・・か」 だが、これらの考察はアルトレベルの同業者にしかできるまい。 事実、周囲の人々は、 「いいぞ!ランカちゃん!」 「フェイトさん最高!」 「「デカルチャーッ、デカルチャーッ!」」 等々やんや、やんやの大騒ぎだ。 (いや?待てよ・・・・・・「フェイトさん最高!」って言ったか!?) しかし、気づいた時には遅かった。もっと早く気づくべきだったのだろう。ランカが来る前、管理局の『3大美少女オーバーSランク魔導士』として名を馳せていた『はやて』、『なのは』と並んで『フェイト』がいたことに。 振り返るとそこに麗しき金髪の魔導士の姿はなく、奥の方で席に座らせられ、困った顔でペンをサラサラと動かしていた。また、時折シャッターの閃光が彼女を白く包む。 フェイトはこちらと目が合うと、助けて欲しそうな魅惑的な視線を送ってくる。しかしアルトは、胸の前で十字を切って合掌すると、さっと身をひるがえして離脱した。 不利な体勢になったら推力を生かして戦線離脱!混戦から抜ければなんとでもなる! それが空戦のセオリーだ。 そんなアルトの戦線離脱に、フェイトは色紙に次々自分の名を書き込んでいく作業と、記念撮影をせがんでくる所員たちの要望に応えながら、小さな声で呟いたという。 「アルト君の意地悪・・・・・・」 (*) フェイトの臨時サイン会が中断したのはCMタイムが終了したためだった。所員たちは再びテレビの前に集い、ライブ会場に画面が戻ったテレビがそこの人々の熱気を放射する。 現在セカンドライブは、首都クラナガンの中央にあるクラナガンドームで開かれている。そこは普段公式野球に使われるため十二分に広いはずだったが、グランドから客席まで人で埋め尽くされていた。 絶えることのないランカを呼ぶ声。そして彼女が舞台袖から出てくると、それは一気に歓声に変わった。 ランカはその歓声を手を上げるだけで制すると、そのままマイクを〝空中〟から掴み出し歌い始めた。 <ここは『What ’bout my star? @Formo』をBGMにすることを推進します> 〝Baby どうしたい 操縦? ハンドル キュッと握っても―――――〟 彼女のクリアなア・カペラが世界を静寂に引き戻した。しかし、観客は次第にリズムに乗って体を揺らす。 少女はスポットライトに照らされながら、歌い続ける。 緑の髪が別の生物の様に躍って、汗の粒がきらきらと宝石のようにきらめく。 そしてそのメロディがサビになる頃には観客は総立ちで跳び跳ねていた。その動きは、クラナガンの地震計に記録されるほどだったという。 また、待機していた空戦魔導士達がサビ突入と同時にスタントを開始した。 魔導士達は2サビ突入寸前の歌のカウントに合わせて技を披露し、ゼロと同時に全方位にパッと散って美しい軌跡で花を添えた。 ・・・・・・しかし、聡明な読者ならもうお気づきだろう。 『なぜランカの歌という超強力AMFのなかで飛べるんだ?』と。 その秘密は、彼女が空中から取り出したマイクにある。 実はこのマイクはシャーリーの作ったデバイスなのだ。このデバイスは、待機中はブレスレット状態なので、空中から取り出したように見える。 また、攻撃的な装備はないがその他の装備は充実している。 ステージ衣装は言わずもがな、バリアジャケットであるし、バルキリーと同種のフォールドアンプやフロンティア移民船団の装備していたのと同じオーバーテクノロジー系列の全方位バリア『リパーシブ・シールド』。そしてインテリジェントデバイスのため、術者であるランカが歌に集中していても防衛機構は全自動運転できる。 中でも特筆すべきなのは『SAMFC(スーパー・アンチ・マギリンク・フィールド・キャンセラー)』と呼ばれる機構だ。これは不規則に変化するランカのサウンドウェーブの周波数を、体内を流れる電気信号から推測。推測した周波数を周囲の友軍のデバイスにデータリンクを通して伝え、そのAMFをキャンセルするという画期的な装備だった。 これにより六課をはじめとする管理局は、対魔法、対魔導兵器戦では強力なアドバンテージがあった。 その後彼女のセカンドライブは1時間以上続いたが、誰もが時間を忘れて聞き惚れていた。 シレンヤ氏 第5話 その2へ
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/150.html
【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】12 No. タイトル 作者 登場人物 時間 037 クロノは大変な超人達を集めていきました ◆jiPkKgmerY 武蔵坊弁慶、アグモン、ヒビノ・ミライ、アーカード 1日目深夜 042 盟友(前編)盟友(後編) ◆WslPJpzlnU ヒビノ・ミライ、アグモン、ヴィータ、アーカード、クロノ・ハラオウン 1日目黎明 066 パンドラの箱は王の手に ◆jiPkKgmerY 八神はやて(StS)、キング、ヒビノ・ミライ、ヴィータ、天道総司、キャロ・ル・ルシエ 1日目早朝 087 ボクらが叶える未来 仲間を信じていたい ◆7pf62HiyTE ヒビノ・ミライ 1日目朝 101 メビウスの輪から抜け出せなくて(前編)メビウスの輪から抜け出せなくて(後編) ◆gFOqjEuBs6 柊かがみ、ヒビノ・ミライ 1日目午前 106 Road to Reunion ◆9L.gxDzakI セフィロス、ヒビノ・ミライ 1日目昼 114 銀色の夜天(前編)銀色の夜天(後編) ◆7pf62HiyTE 八神はやて(StS)、クアットロ、シャマル、セフィロス、ヒビノ・ミライ 1日目昼 117 Alive a life ~タイムリミット(前編)Alive a life ~タイムリミット(後編)Alive a life ~死闘(前編)Alive a life ~死闘(後編)Alive a life ~ゲームは止まらない ◆gFOqjEuBs6 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、C.C.、天道総司、キング、ゼスト・グランガイツ、万丈目準、ヒビノ・ミライ 1日目昼 131 がんばれ! ウルトラマンメビウス ◆7pf62HiyTE ヒビノ・ミライ 1日目日中 158 Kな魔王/ダークナイトKな魔王/ミライノヒカリ ◆gFOqjEuBs6 キング、ゼスト・グランガイツ、ヒビノ・ミライ 1日目夕方 168 Aの残光/強襲ソルジャーAの残光/夢と誇りをとりもどせ ◆gFOqjEuBs6 アンジール・ヒューレー、クアットロ、高町なのは(StS)、天道総司、ヒビノ・ミライ 1日目夜 173 絶望の暗雲 ◆HlLdWe.oBM アンジール・ヒューレー、クアットロ、高町なのは(StS)、天道総司、ヒビノ・ミライ、キング 1日目夜中 【ユーノ・スクライア@L change the world after story】17 No. タイトル 作者 登場人物 時間 020 不思議な出会いⅡ ◆Qpd0JbP8YI ユーノ・スクライア、ルーテシア・アルピーノ 1日目深夜 047 遠い声、遠い出会い ◆Qpd0JbP8YI ユーノ・スクライア、ルーテシア・アルピーノ 1日目黎明 059 ユーノ・スクライア司書長の女難 ◆9L.gxDzakI チンク、天上院明日香、ユーノ・スクライア、ルーテシア・アルピーノ 1日目早朝 097 Reconquista(前編)Reconquista(中編)Reconquista(後編) ◆HlLdWe.oBM ブレンヒルト・シルト、チンク、天上院明日香、ユーノ・スクライア、ルーテシア・アルピーノ、キース・レッド 1日目朝 119 明日に架ける橋 ◆Qpd0JbP8YI ユーノ・スクライア、ブレンヒルト・シルト 1日目昼 122 誇りの系譜(前編)誇りの系譜(後編) ◆HlLdWe.oBM キース・レッド、ユーノ・スクライア、ブレンヒルト・シルト 1日目昼 151 白き覚醒 ◆HlLdWe.oBM 天上院明日香、ユーノ・スクライア 1日目日中 155 貴重な貴重なサービスシーン・なのはロワ出張編 ◆Vj6e1anjAc ユーノ・スクライア 1日目夕方 167 Lを継ぐ者/SinkLを継ぐ者/あなたがいるから ◆7pf62HiyTE ユーノ・スクライア 1日目夜 179 こなたとリインと男の娘 ◆LuuKRM2PEg ユーノ・スクライア、泉こなた 1日目真夜中 184 罪罪(状態票) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、柊かがみ 2日目深夜 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目黎明 190 S少年の事件簿/殺人犯、八神はやてS少年の事件簿/フリードの来訪にヴィヴィオの涙 ◆7pf62HiyTE ヴィヴィオ、ユーノ・スクライア 2日目黎明 195 Revolution ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ 2日目早朝 197 Round ZERO~AMBITION SECRET(前編)Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、スバル・ナカジマ、天道総司、キング、金居、ウーノ、ドゥーエ、オットー 2日目早朝 198 魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 ◆19OIuwPQTE 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居 2日目朝 199 魔法少女、これからも。(前編)魔法少女、これからも。(中編)魔法少女、これからも。(後編) ◆Vj6e1anjAc 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、ウーノ、ドゥーエ、セッテ、オットー、ディード 2日目朝 【L@L change the world after story】9 No. タイトル 作者 登場人物 時間 005 反逆の探偵 ◆ga/ayzh9y. L、ザフィーラ 1日目深夜 023 アイズ ◆Qpd0JbP8YI L、ザフィーラ 1日目黎明 049 光が紡ぐ物語 ◆jiPkKgmerY L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ 1日目早朝 081 Amazing Grace(The Chains are Gone)(前編)Amazing Grace(The Chains are Gone)(後編) ◆Qpd0JbP8YI L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ 1日目朝 091 変わる運命(前編)変わる運命(後編) ◆HlLdWe.oBM L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ、万丈目準 1日目午前 121 這い寄るもの ◆9L.gxDzakI アレックス、L 1日目昼 138 Change the world ~変わる世界~ ◆vXe1ViVgVI アレックス、L、金居、アーカード 1日目日中 152 I Would Be the ***** in This Battle Royale ◆Qpd0JbP8YI L 1日目午後 157 D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVED.C. ~ダ・カーポ~ 戦いは終わるD.C. ~ダ・カーポ~ 予兆 ◆HlLdWe.oBM 浅倉威、柊かがみ、相川始、キング、金居、ヴィータ、キース・レッド、アレックス、L、高町なのは(StS)、天道総司、ヴィヴィオ、エネル、新庄・運切、アーカード、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方
https://w.atwiki.jp/magichappy/pages/735.html
「第136回コンクェスト評議会」は、ウィンダスミッションの進行度によって以下の2パターンに分岐します。 アジドマルジドが闇牢に入っていない場合 第136回コンクェスト評議会(アジドマルジド編) アジドマルジドが闇牢に入っている場合 第136回コンクェスト評議会(シャントット編)
https://w.atwiki.jp/starwarsleague/pages/40.html
スター・ウォーズ連盟評議会 第1項 スター・ウォーズ連盟評議会は、本連盟の最高意思決定機関である。 第2項 評議会の開催は、毎週金曜の午後6時からスター・ウォーズ チャットルームで行う。 第3項 上にあげた開催日以外でも、連盟代表の召集で開催されることがある。又、連盟員4人以上と部長1人以上の評議会開催要求があった場合、連盟代表は議会を召集しなければならない。 第4項 スター・ウォーズ連盟評議会の評議員は、その会議に参加した連盟員とする。 第5項 規約案は、規約に特別の定のある場合を除いては、評議会で過半数が賛成したときに規約となる。